家計調査で明らかになった福岡県・勤労世帯の家計
次に福岡県の平均的な暮らしぶりを、総務省『家計調査家計収支編2020年』から、二人以上世帯/勤労世帯で見ていきます。参考にする『家計調査』では県庁所在地を調査対象とし、以下は福岡市のデータを用いているので、福岡県全体の実情とは異なる可能性があることは留意ください。
福岡県の勤労世帯(世帯人員3.43人、世帯主年齢53.5歳)の持ち家率は46.2%、配偶者(女性)の有業率は53.5%。家族や住まいの在り方は、大都市・福岡市の色が濃く出ています。平均世帯収入は63万9955円で、全国平均を3万円ほど上回っています。 1ヵ月の消費支出は35万1513円。賃貸率の高さから「住居費」の支出が多く、ほか「交通・通信」や「教育」の項目で全国平均を大きく上回っているのが特徴です。
【福岡県の「勤労世帯」家計の平均値】
■実収入 63万9955円(60万9535円)
「世帯主の収入(うち男)」44万3125円(41万0324円)
「世帯主の配偶者の収入(うち女)」8万2320円(8万7666円)
■実支出 46万6271円(41万6707円)
「消費支出」35万1513円(30万5811円)
食料 7万9248円(7万9496円)
住居 4万0568円(1万8824円)
光熱・水道 2万6444円(2万1696円)
家具・家事用品 1万4300円(1万3364円)
被服及び履物 1万2343円(1万0654円)
保健医療 1万3029円(1万3068円)
交通・通信 6万2098円(4万9469円)
教育 2万9961円(1万6548円)
教養娯楽 1万6437円(2万6824円)
その他の消費支出 5万8964円(5万5868円)
「非消費支出(直接税、社会保険料等)」11万4758円(11万0896円)
出所:総務省『家計調査家計収支編2020年』二人以上世帯/勤労世帯より
※数値はそれぞれの項目の平均値。加算しても実収入、実支出にはならない
※(かっこ)ない数値は全国平均
また黒字額(所得から税金や保険料などを引いた手残りである可処分所得から消費支出を引いたもの)は17万3684円(全国平均19万2828円)で、黒字率は33.1%(全国平均38.7%)。平均消費性向は66.9%(全国平均61.3%)と、全国平均を5ポイント以上も上回っています。
福岡市を中心に人口増加が全国的にも顕著な福岡県。その勢いが示すように、家計においても消費意欲の強さが見られました。福岡県で公表している最新の景気動向指数をみると、現状を示す一致指数は93.8と全国の94.5を下回りますが、数ヵ月後を示す先行指数は129.5と全国の104.1を大きく上回っています。福岡県民の旺盛な消費意欲が関係しているのかもしれません。