副業ブームや公的年金への不安などにより、不動産投資を行う会社員、いわゆる「サラリーマン大家」が増加しています。そんな彼らにも他人事ではないのが「税務調査」。ある日、税務署から「税務調査に伺いたい」と連絡があり、慌てふためく……そんな人も珍しくありません。まずは「税務調査」とはどのようなものなのか、正しく理解しましょう。
「税務調査官」がサラリーマン大家の元にやってきた!任意だからと調査を断ると ※画像はイメージです/PIXTA

サラリーマン大家も他人ごとでない…税務調査の実態

税務調査と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか? 古くは映画「マルサの女」や時折ニュースなどで報道されるように、スーツを着た無表情無機質な人々が情け容赦なく会社や家などに押し入り、ダンボールなどに書類を詰めてガンガン押収するということを想像されるかと思います。

 

このような税務調査は査察や強制調査と呼ばれます。しかし一般の納税者に対して行われることはほとんどなく、通常は任意調査という形で行われます。

 

任意調査では一部の例外(たとえば現金商売による無予告の調査というのもがありますが、これも任意調査の一つの形態です)はありますが、通常は納税者と調査官がお互いに都合のいい日時にアポイントを取り調査官が納税者の元に訪れる、または納税者に税務署への来署をうながすといったもので、無理矢理調査官が書類等を押収するということはありませんし、日時等の調整もできます。

税務調査は「任意」でも断ることはできない

犯罪捜査などに詳しい方なら「任意なら断れるんじゃないの?」と思われるかもしれません。しかし警察などが行う任意聴取や任意同行を求める任意捜査と、税務署職員が行う任意調査はどちらも言葉こそ同じ「任意」が付いていますが、似て非なるものです。

 

結論から先に申し上げると、任意であっても税務調査そのものを断るということは出来ません。

 

日本では所得税、法人税、消費税、相続税といった主な国税は「申告納税制度」が採用されています。申告納税制度では納付すべき税額を納税者自らが計算し、確定することを原則としています。