日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は厚生労働省『賃金構造基本統計調査』から「月収20万円未満の会社員」に焦点を当てていきます。
月収20万円未満の会社員…現役引退後に待ち受ける悲惨すぎる末路 ※画像はイメージです/PIXTA

月収20万円未満の会社員…その老後は?

雇用形態によっても給与待遇は違うもの。特に正社員か、非正社員化で大きな格差があることは容易に想像できます。月収20万円未満の正社員の割合は13.0%。それに対し、月収20万円未満の非正社員の割合は実に54.0%。正社員は年齢と共に月収20万円未満の割合は少なくなっていきますが、非正社員の場合は60代前半を除き、どの年代でも過半数を超えています。

 

正社員であっても月収20万円未満の会社員は一定数いますし、非正社員でも「スーパー派遣社員」のような高給を手にしている人もいます。しかし、そのような人はほんのひと握り。正社員になりたいと熱望する人が多いのも当然の結果です。

 

【正社員と非正社員「月収20万円未満」の割合】

※数値左:正社員、数値右:非正社員

 

20~24歳 35.7%/72.4%

25~29歳 15.7%/55.2%

30~34歳 11.2%/55.8%

35~39歳 8.8%/50.3%

40~44歳 7.2%/52.8%

45~49歳 7.6%/52.3%

50~54歳 7.9%/55.3%

55~59歳 8.1%/58.6%

60~64歳 18.9%/43.6%

65~69歳 28.4%/56.0%

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より

 

新卒で会社員になったら、年齢ともに給与が上がっていく。平均年収500万円程度が当たり前……そう思っている人が大勢いるなか、月収20万円未満、手取り16万円程度の会社員も珍しくありません。

 

仮に月収20万円未満の会社員人生が続き、そして終わったとしたら……不安なのは老後のこと。果たして年金はいくらもらえるのでしょうか。仮に平均月収20万円だとして、65歳で手にできる公的年金を考えてみると、老齢基礎年金は月額6.4万円、老齢厚生年金が月額3.2万円、合わせて月9.6万円。これが老後を支える主な資金となります。

 

月10万円以下。持ち家で生活費だけなら、なんとか暮らしていけるでしょうか。毎月、家賃も払っていかなければならないとなると、少々厳しいかもしれません。実際の暮らしぶりはそれぞれ状況によって異なりますが、少しでも貯蓄があれば、多少は余裕が生まれるかもしれません。低収入で嘆くより、少しでも資産形成を進められないか、考えていくことが、安心できる老後の第1歩となりそうです。