人生100年時代、「お金」で「お金」を増やす方法を学び、自分の身を守ることが必須となります。本記事では、投資で大損して資金が尽きてしまい、市場から退場させられないために投資初心者が守るべき「一つのルール」を紹介します。※本連載は、投資の学校代表である高橋慶行氏の著書『12万人が学んだ 投資1年目の教科書』を一部を抜粋・再編集したものです。
資金が尽きて市場から撤退…投資初心者が大損しないために守るべきルール (※画像はイメージです/PIXTA)

負けないために重要な「資金管理」とは?

投資において、「負けない」ことは最重要課題です。そして負けないために最も大切なことは資金管理です。

 

ほとんどの投資家は、投資手法や銘柄選定などに強い関心がありますが、資金管理などにはほとんど関心がありません。しかし資金管理がうまくできないと、投資で安定して利益を上げることはできません。

 

資金管理とは、自身の投資資金全体の中から、今回の投資にバランス良く資金を当てることです。ポジション管理とも言います。たとえば全部で100万円の投資資金があり、その中から30万円で株を買ったときには、「30%のポジションを持っている」と表現します。

 

投資1年目の投資家が利益を上げようと思ったら、予想などをせず、価格の流れ(波動)に素直について行ったほうが良いと思います。ただし1つ注意が必要です。それはしっかりと資金管理をするということです。

 

投資で儲けたい人は、いつ買えばいいのか、いつ売ればいいのか、何を買えばいいのか、今後は上昇するのか下降するのか、など価格の方向性について関心があります。しかし資金管理を無視して投資を続けると、「価格の方向性は当たっているのに負けた」ということが起こります。

 

上昇トレンドも下降トレンドも、上げ波動、下げ波動を繰り返しながら上昇または下降します。そして、その途中過程では一時的な含み損を抱えることが起こります。

 

ところが、資金管理を間違えると、その「一時的な損失」が命取りになることがあるのです。

 

たとえば銀行から証券会社に100万円の資金を移し、その100万円を目一杯使ってFXでドル/円を買った(ドルを円で買った)とします。ドルの上昇トレンドが発生すれば利益は出るのですが、一時的に下がって、それから価格が上昇をするような場合には、値幅によっては強制ロスカットになることがあります。そうなると、その後やってくる上昇トレンドでポジションを持つことができなくなってしまうこともあるわけです。

 

一方、投資用資金に対してあまりにも少額な投資をした場合には、一時的な下げがあろうとも強制ロスカットされることなどはまずあり得ませんが、結局数百円しか利益が取れないことになります。

 

100万円の投資資金を移したのに数百円しか儲からなければ、「損はしていないけれども、利益が取れるチャンスをしっかり取れていない」という意味で失敗です。

 

勝率7割の売買手法を持っているプロトレーダーであっても、相場次第では2連敗、3連敗することはよくあります。場合によっては4連敗、5連敗をすることもあるでしょう。

 

そのぐらいの連敗があっても、100回、200回とトレード数を重ねていけば、トータルでは7割勝てるはずなのですが、資金管理を疎かにしていると、取り返す前に資金が尽きてしまうこともあるのです。