人生100年時代、「お金」で「お金」を増やす方法を学び、自分の身を守ることが必須となります。本記事では、投資の世界における「リスク」の捉え方を見ていきます。※本連載は、投資の学校代表である高橋慶行氏の著書『12万人が学んだ 投資1年目の教科書』を一部を抜粋・再編集したものです。
投資初心者が陥りがちな「リスク=危ないもの」という勘違い (※画像はイメージです/PIXTA)

リスクは避けるべきものではなく、管理すべきもの

繰り返しますが、リスクというのはブレ幅のことです。つまり価格が上限変動をするという意味であり、それ自体は怖いものではありません。トレードにおいては、価格の上下の変動こそが儲けを得るための源泉です。つまりリスクは、儲けの源泉なのです。当たり前ですが、どんなに凄腕のプロトレーダーがいたとしても、値動きが一切ない市場では1円も稼ぐことはできません。

 

ですから投資で利益を上げたいと思ったらリスクは必ず必要になります。投資初心者がまず頭に置いてほしいことは、リスクは避けるものではなく管理するものだということです。

 

リスク管理とは、一方で大損を防ぎながら、一方でメリハリのあるトレードを続けていくことです。リスクを管理することで、大きな資産を作り上げることができるのです。

 

トレードの目的は儲けること、言い換えれば、リターンを得ることです。

 

リスクとリターンは表裏一体の関係であり、ハイリターンを求めれば裏にはハイリスクがあります。あっという間に資金が倍増する投資法は、あっという間に資金を失ってしまう投資法でもあるのです。

 

一方ローリスクすぎる投資ばかりだと、リターンもあまりにも少なく、大切な時間と手間を使って投資をする意味がありません。アルバイトでもしているほうがよほど時間の有効活用になるでしょう。どのぐらいのリスクを取るかというバランス感覚がとても大切になります。

 

ちなみに株やFXとは異なり、「どのぐらいの成果が得られるか」が約束されている銀行の預金や企業が発行する債券もあります。銀行への預金は銀行にお金を貸したことに、債券の購入は企業にお金を貸したことになります。銀行も企業もたとえ赤字になっても、借りた人に期日までに利息をつけてお金を返さなければなりません。

 

一方株やFXではリターンは約束されていません。リスクは預金や債券より大きくなります。しかしその分預金や債券より、大きなリターンが得られる可能性があります。逆にいえば、預金や債券では、株やFXより大きな成果を得ることは困難です。

 

今の時代は、銀行預金や債券で自分のお金を増やそうと思っても、利率が小さいので、ほとんど儲かりません。

 

自分でリスクを管理しながら、預金や債券より大きなリターンを得ていくという意志を持つことが、資産形成という観点からはとても大切になります。そのためにはリスクは避けるべきものではなく、管理すべきものだと理解することが大切なのです。

 

 

高橋 慶行

株式会社ファイナンシャルインテリジェンス
投資の学校プレミアム

代表

 

「投資の学校」代表が執筆!
初心者が「投資で勝つ」ための教科書