「子どもの短所をガミガミと怒鳴ってしまった。自己嫌悪に陥るけど、また次の日には…」と悩む親御さんは多いもの。それほどのイライラを引き起こす原因はなんなのでしょうか? 教育評論家の石田勝紀氏が解説します。 ※本記事は、書籍『子どもの長所を伸ばす5つの習慣』(集英社)より一部を抜粋・再編集したものです。
ママの「孤立化」が原因か…子どもが言うことを聞いてくれない理由 ※画像はイメージです/PIXTA

イライラの正体と、「心の重み」の解消法

いつまでたっても抜け出せないイライラのループ。その原因はどこにあるのでしょう? 

 

イライラの原因を知ったところでどうにもならない。原因がわかったって、どうせまたイライラしちゃうのだから仕方ない。いいえ、そんなことは言ってられません。なぜなら、これは子どもの未来につながる大問題だからです。

 

私がイライラのもっとも大きな原因だと感じるのは、お母さんたちの「孤立化」です。

 

今の時代、親元を離れてひとりで子育てをするのが当たり前になりました。いつのまにやら個人情報やプライバシーが声高に叫ばれるようになり、「子どもは放っておけば勝手に育つわよ」とおせっかいを焼いてくれる近所のおばさんもいません。


そして、ママたちは気づくのです。子どもを産んでも、育て方を教えてくれる先生や先輩がいないことに。

 

しかし、毎日のタスクは膨大です。掃除や洗濯などの家事に加えて、子育てには想定外のノルマが山のように噴出します。

 

子どもは何の前触れもなくお腹が痛いと泣き出しますし、宿題のプリントは決まってランドセルの奥底でぐちゃぐちゃになって発掘されます。働いているお母さんは、夜泣きで眠れなかった翌日に職場の上司から無理難題を言い渡されることもあるでしょう。もう心も身体もクタクタです。

 

こんなふうに毎日大変なタスクをこなすママは超スーパーウーマン。ときにはタスクが自分の許容量を超えて、悲鳴をあげてしまうのは当たり前のことです。そんな姿を想像するだけで、私は頭が下がります。

 

そんな状況で、何でも話せるような相談相手がいないとしたら、心がマイナスのスパイラルに陥ることも容易に理解できます。

 

私が「ママカフェ」を開催するようになった理由も、ここにあります。孤立化したお母さんには、子育てで抱える悩みを吐露できる場所が必要なのです。

 

 

石田 勝紀

教育評論家