世の中には「お金を貯められる人」と「お金を貯められない人」がいます。はたして、どこに差があるのでしょうか? 見ていきましょう。※本記事は、横山光昭氏の著書『お金が自然と貯まる 超シンプル・ルール』(大和書房)より一部を抜粋・再編集したものです。
「年収300万円でも1年で100万円貯められる人」と「高収入でも貯められない人」の差 (※写真はイメージです/PIXTA)

高収入な人ほど貯められない人の割合が多い!

そもそも、100円、200円といった節約を意識していなくても「お金が自然と貯まっていく人」はいるのでしょうか?

 

その答えは、「少数ですが存在する」と言えます。こう言うと、

 

「それは高収入だから勝手に貯まっていくんでしょう?」

 

と思われるかもしれませんが、そうではありません。高収入で自然にお金が残る人もいるにはいますが、大半はあればあるだけ使いがちです。なので、むしろ高収入な人ほど貯められない人の割合が多いのです。

 

そして、収入はさほど多くなくても、貯めている人は大勢います。年収は300万円なのに、1年で100万円貯める人だっています。

 

「じゃあ、経済観念があるしっかり者でしょう?」

 

そう思われたかもしれませんね。半分あたりです。

 

もう半分は、「自分の生活に必要最低限の基準があり、それをきちんと把握している人」です。もっと言うと、「自分の価値観」をしっかり持っている人です。

 

こういう人は労力なしで自然とお金を貯めています。それは、「必要なのか、それとも欲しいのか」という線引きを無意識にできているからなのです。「お金があって買えそうだから買う」という行動ではなく、「買えるけど自分にはいらない」という基準がきちんとあります。

 

つまり、生活の枠や範囲を、自分を囲む箱のようにしてきちんと持っているかどうか。それで年間100万円近くを貯金できるか、そうでないかの明暗が分かれることになるのです。

 

前者の人は“モノはお金が形を変えたもの”であるということをちゃんと理解しています。モノを買えばお金が減っていることを実感できているのです。

 

今、みなさんの目の前にあるすべてのモノは、お金が形を変えた姿であるとも言い換えられます。その中には、所有しているだけでお金がかかっているものもあるはずです。

 

モノをモノとしか見ていないのか、モノをお金でもあると見ているのか。そこの意識があるかないかで、貯められるかどうかが分かれます。「モノはお金でもある」と認識できると、考えが変わってくるものです[図表1]。

 

[図表1]お金が貯まる人と貯まらない人の差

 

まず絶対に、部屋を散らかしたり、ゴミ屋敷にするようなことはできません。本当に必要なモノを把握し、モノを大切にするため、不要なモノを持とうとはしないようになるからです。

 

それなのに散らかしたり、ゴミ屋敷にするような人はその区別がつけられず、モノを一括(ひとくく)りにし、とにかく捨てることがもったいないと捉えがちです。こういう人は一見、すべてを大事にしているようで、実は何ひとつ大切にはできていません。

 

ゴミ屋敷というのは極端な例だと思うかもしれませんが、気づいたらモノが増えがちだという人は多いはずです。節約しているのに貯まらないという人には覚えがあるのではないでしょうか。ここに生活の乱れが生じ、お金の問題として表面化してきます。

 

まずはその問題について掘り下げていきましょう。