子どもに苦手を克服してほしいあまり、親はつい短所を指摘してしまいがち。しかし「短所口撃」には重大な誤りが…。教育評論家の石田勝紀氏が解説します。 ※本記事は、書籍『子どもの長所を伸ばす5つの習慣』(集英社)より一部を抜粋・再編集したものです。
子育てに大間違いはある…「短所口撃」が子どもの才能をつぶすワケ ※画像はイメージです/PIXTA

親がやってしまいがちな「子どもの才能をつぶす行動」

いきなりですが、みなさんに質問です。あなたのお子さんの長所は、何ですか?

 

制限時間は1分としましょう。3つ、4つといわず、いくつでもいいですよ。さあ、考えてみてください。

 

いかがでしょう? お子さんの長所を、さっと思いつきましたか?

 

では、もうひとつ質問をします。あなたのお子さんの短所を教えてください。思い浮かぶ何かがあるでしょうか?

 

今度はどうでしょう?

 

「短所はたくさん思いつくんだけど…」

「長所は見つからないけど、短所ならいっぱいあります」

「長所なんて、うちの子にはないです」

 

たいてい、こんな答えが返ってきます。どんなに教育熱心な親でも、子どもの短所を指摘するのは簡単なのですが、長所を見つけるのはどうやら不得手のようです。

 

なぜ、長所はなかなか思いつかないのでしょう?

 

実は、長所というのは、親が見て「当たり前にできている」と思いがちなことが多いからです。答えようと思ったって、すぐには気づかないわけです。

 

いっぽう、短所はというと、日常生活のなかで目につく苦手なことに結びつけると、いくらでも出てきそうです。わが子に「苦手分野を克服してほしい」と願うあまり、知らず知らずのうちに、親は子どもの短所ばかりに目がいってしまうのです。

 

もちろん、ママたちは注意せずにはいられませんね。

 

「そんなことじゃダメじゃない!」

「何度言ったらわかるの!」

「今のうちに直さないと、一生苦労するわよ」

「平均点以下なんて、恥ずかしいね」

「また間違えたんだ」

「それで急いでいるつもり?」

 

こんな言葉づかいから伝わるのは、「今のままでは問題があるから、早く直してあげなくては!」というお母さんたちの熱い思いです。

 

かくいう私にも、ふたりの男子がおります。ですからわが子を大切に思う親が、子どもの欠点を直したいことは、よくわかります。

 

しかしこんなとき、実は、心のなかで子どもを非難する感情も渦巻いているのではないでしょうか?

 

「うちの子はやっぱりダメなのか」

「何をするにも時間がかかるなあ」

「こんなことも満足にできないなんて」

「せめて平均点くらいはとってきてほしい」

「すぐにあきらめるクセがある…」

 

愛するわが子を否定するなんて、内心穏やかではないのですが、目の前の子どもの行動を見るうち欠点ばかりが際立って、ついそれを責め立てる言葉が出てしまう。子どもを否定する「短所口撃」です。

 

こんな「短所いじり」が、子どもの心をへし折り、学力を落としている原因だとしたら、あなたはどう感じますか?

 

私は20歳のときに学習塾を開業し、これまで3500人以上の子どもたちに直接指導してきました。講演やセミナーを含めると、教えた子どもの数はのべ5万人にのぼります。

 

そこで出会ったたくさんの親子に触れて確信したことは、

 

●親の短所いじりが子どもの才能をつぶしている

●長所を伸ばすことで子どもの学力や才能はぐんぐん伸びていく

 

という事実でした。

 

これには「自己肯定感」が関係しています。

 

自己肯定感とは、自分を肯定する気持ちを持つことです。「自分のことを価値がある人間である、素直に大切な存在であると信じる心」だと私は捉えています。

 

自分のことを好きだと感じ、自分に自信を持っている、ポジティブな気持ちです。