日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は国土交通省などの統計から、「フルローンで新築マンションを購入」した場合について考えていきます。
40代、頭金なしで4500万円マンションを購入…月21万円返済の現実味 ※画像はイメージです/PIXTA

40代前半の会社員…6000万円のマンションは買える?

国土交通省『令和2年度住宅市場動向調査』によると、新築分譲マンションを購入した人(世帯主)の平均年齢は39.3歳で、平均世帯年収は863万5500万円。平均購入価格は4393万1500円で、平均自己資金比率は25.6%でした。つまり1124万6464円は頭金として用意。多くは3000万円あまりは住宅ローンを活用した、ということになります。平均返済期間は31.1年。繰り上げ返済はせずにローンの返済を続けたとしたら、70歳を前にして、やっと住宅ローンを返し終わる……というのがマンション購入者の平均像です。

 

税込年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合である返済負担率は、年収400万円未満であれば30%、年収400万円以上であれば35%を限度としている金融機関がほとんど。厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、40代大卒会社員の平均年収は687万6100円なので、年間返済額240万円程度の住宅ローンが組めるということ。単純に12で割ると、1ヵ月当たりの返済額は20万円程度上限、ということになります。

 

仮に返済金利が年利0.6%だとしましょう。返済年数を20年とすると、借入可能金額は4522万1186円、利息は277万8814円、返済総額は4800万円となります。仮に物件価格の25%の頭金を用意できたとしたら、6000万円あまりのマンションが購入できる、という計算になります。

 

広さを求めるなら郊外も視野にいれなければいけませんが、東京都内に家族向けマンションが持てそうな返済プランでしょうか。

 

さらに返済期間を30年とすると、借入可能額は6587万6885円。利息が613万3115円となり、返済総額は7200万円となります。同じように、物件価格の25%の頭金を用意したとなると、8700万円あまりのマンションが購入可能となります。

 

東京でも比較的都心近くのマンションを希望するなら、30年ローンであれば、なんとか一般の会社員でも検討できそうな返済プランだといえそうです。