親の教育が厳しかったり、親の心配が過剰だったりすると、子どもの防衛本能が強くなりすぎて、嘘をつくクセがついてしまうことがあります。社会福祉法人彩大地の恵みのなーさりぃ理事長の大塚恵美子氏の著書『子どもたちの未来を切り拓く子育て』より、一部を抜粋・編集してどうすれば嘘をつくクセがなおるのかを解説します。
大きくなってもなおらない「嘘をつくクセ」原因となる親の行動 (写真はイメージです/PIXTA)

「ごめんね」を強要しない「かかわり方」

■本人が納得していないのに謝らせるのは逆効果

 

子ども同士でケンカしたとき、謝ることをうながすこともありますが、わたしは強制しないようにしています。納得できていなくて、言えないこともあるものです。

 

そんなときには、「心のなかで、Aちゃんは謝っているんだよね」と代弁することがあります。これは堀合文子先生が使っていて素晴らしいと思い、わたしもとり入れているかかわり方です。

 

「納得できていなければ言えない」という経験は、大人にもあるのではないでしょうか。「ごめん!」は大切なことばではありますが、言えないときはきっと「まだスッキリしていないのかな。モヤッとしているのかな」という状態です。

 

そんなときに謝罪を強要されても、「納得していないのに言わされた」と感じ、火種が残ってしまうでしょう。それでは問題が解決したとは言えません。

「ごめんね」を言えばおしまいではない

一方で、「Aちゃん、謝られても許せないくらいイヤだったんだね」と、された側の気持ちを代弁することもあります。そんなときには「いまじゃないみたいね」「ちょっと考えよう」と言って相手と引き離し、間を与えることも大切です。

 

人間関係は、「ごめんね」を言えばおしまいというわけではありません。「『ごめん』と言えばおしまい」と教えると、「ことばを言えばすぐに許してもらえる」と思ってしまう子になってしまいます。

 

それでは、本物の人間関係を築ける大人にはなれませんね。ことばだけを強要するのではなく、心で感じることを大切にしていきたいですね。