ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのマーケティングディレクターを務める秋山哲氏が執筆した『20年で元本300倍 お金が集まる5つの原則』(光文社)より一部を編集・抜粋し、人がお金を「ムダづかい」してしまう三大原因について見ていきます。
なぜ人はお金を「ムダづかい」してしまうのか?見栄、なんとなく、付き合い…三大原因に注意 (※写真はイメージです/PIXTA)

「ありたい自分」と「生活」のためにお金を使うことが大切

君はお金を使っているとしても、ムダにしてはいないだろうか。「ありたい自分」と「生活」のため以外にお金を使っているなら、すぐにでもやめたほうがよい。とくに「見栄」「なんとなく」「付き合い」はムダづかいの三大原因なので注意しよう。

 

ここで知っておいてほしいのは、僕たちには「人から認められたい」「自分で自分を認めたい」という承認欲求があること。この欲求は、誰もが先天的に持っているものなので、それを恥じる必要はない。けれども承認欲求を満たすためにお金を使いだすと、君の本当に欲しいものが見えなくなり、お金はいくらあっても足りない状態になる。なぜだろうか。

 

それは、僕たちは他人と比べることで自分の立ち位置を確認する動物だからだ。ここで比較対象となるのは、だいたいの人が憧れるもので、身近な人より高級なバッグを持っている、アクセサリーを身につけている、カッコいい車に乗っている、人気エリアに住んでいるなどだ。

 

こうしたものにお金を使っていると、SNSや職場、学校などで他人から「いいね」「すごい」と言われ、「すごい自分」を続けなくてはいけないと思うようになる。すると、自分より物質的に豊かな生活をしている人はつねに存在するので、さらによいものが必要になり、お金が足りない状態になっていくのだ。

 

君が本当に欲しいものは、他人と比較して承認欲求を満たす状態ではないはずだ。見栄消費には気をつけよう。

 

なんとなくお金を使ってしまうのにも注意したい。これまでの買い物歴で、君にも明確な理由がないのに何かを購入してしまった経験はあるはずだ。

 

脳科学の分野では、人間の行動は5%の意識と95%の無意識から成り立っているとの知見がある。つまり、僕たちの消費行動も、95%は無意識で商品を選んだり、その商品の購入を決めたりしているのだ。なんとなくの気分でお酒を飲んだり、仕事帰りにコンビニに立ち寄って、なんとなくホットスナックやお菓子を買ったりするのには気をつけよう。

 

本当に必要なものに衝動的に気づくのは稀だ。衝動的に何かが欲しいと思ったときは、大半のケースにおいて買わないほうがよい。購入する前には、「ありたい自分」か「生活」のために本当に必要なのかを考えよう。

 

人との付き合いを理由にムダなお金を使ってしまうこともよくある。気心の知れた仲間と一緒に出かけて、楽しい時間をともに過ごすのは心が豊かになるので大切だ。ただし、付き合いが悪いと思われないために、飲み会に参加したり、職場の愚痴や自慢話を語り合う生産性のない食事会に行ったり、強く誘われたので気乗りしないまま買い物に付き合ったりと、自分が楽しめない付き合いをするのはやめたほうがよい。

 

誘いを断ると気まずさや孤独を感じるときがあるかもしれないけれど、君が本当に楽しいと思う付き合いのみが豊かな生活に直結する。それ以外のために大切なお金と時間を使うことはやめるようにしよう。