謎のグレード、出所不明のコインには要注意!
今回は、オークション会社で実際に購入する場合の流れと注意点を紹介しておきましょう。
●勝手につけられたグレードを信用してはいけない!
これは筆者自身の失敗例です。あるフランスのインターネットオークションで金貨を数枚買いました。
サイトには金貨の表裏の画像と、そのオークションサイトがつけているグレードが記載されていました。グレードはアメリカの鑑定会社のように70段階ではなく、6段階程度のものです。購入後、1カ月ほど経過し、やっと金貨が数枚届きました。
その後アメリカの鑑定会社のPCGS社に鑑定を依頼するのですが、その中の1枚がクリーニング(コインを洗ったりしてきれいにしている)というグレードがついて鑑定から戻ってきたのです。
普通であれば、クリーニングしていることが、サイトに明記されていて当たり前のところですが、そんな表記もありませんでした。私はメールでクレームをつけましたが、鑑定に出していたので、購入から1カ月以上経過していましたし、「なんで受け取ってすぐ言わないの?」というような内容でした。結局返品はできませんでした。
●出所不明の怪しいコインに気を付けろ!
これは、日本の大きなオークションサイトのことです。私のお客様から電話があり、「石山さん、このサイトのコインどう思う?」という内容でした。それはイギリスのコインでした。
グレードが最高グレードで、あまりにもきれいすぎるのです。世界に数枚のレベルでしか存在しません。私は、そのコインの出所を、アメリカのオークションハウスやPCGS社の鑑定、オークション結果などから探しましたが見つかりません。
PCGS社の鑑定コインには個別番号がついており、その番号から、どのオークションでいつ売れたかを大抵調べることができます。それらを調べると大抵のコインの動きを知ることができます。
しかし、そのコインは出所がわかりませんでした。200万円以上で売られていましたが、オークション期日前に取り下げられたので、もしかしたら偽物だったのかもしれません。人気でレアなコインが高値で売っていて偽物なんて・・・こんな危険もあると再認識した瞬間でした。
資金豊富な「資産家」に引っ張られないことが肝要
●大資産家の「つり上げ」に引っ張られるな!
これは主に買値のことです。規模の大きなオークションサイトが年数回オークションを開催します。出品枚数がとても多く注目されるオークションです。フロアオークションと呼ばれる実際の会場で行われる規模の場合、大資産家が専任のバイヤーを送り込んでいるときがあります。
オークション商品には、オークションサイトがつけた「おおよそこのくらい」という目安金額があります。
彼らは資金が豊富なので、その目安金額など関係なく値段をどんどん上げて入札してきます。オークションの司会進行役が、常に、同じ方向に手を振って値段を確認しているような状況です。その流れに乗って自分も価格をつり上げてしまうと、終わってみれば想定された買値を大幅にオーバーして大損、ということがよくあるのです。
私は、ネットで入札していくのですが、目安金額の4倍というような値段で購入してしまった経験があります。このように思わぬ高値で落札してしまうことがあるのも注意すべき点です。