失敗する人の大半は、知識がないまま投資を始めている
大事な資産を運用するのに、なぜ、知識がないまま始めてしまうのでしょうか。勉強をするのは面倒だということもあるでしょうし、勉強しようと思っても誰に教えてもらえばよいのかわからない、ということもあるでしょう。しかし、そもそも大半が、努力不足と言わざるを得ません。
勉強のため、お金を支払うことに抵抗がある人は多いものです。そのような人に私はよく言うのですが、小学校、中学校、高校、大学と、授業料があるのは当たり前なのに、実社会の勉強ではなぜお金を支払うのがいやなのでしょうか。
勉強するためのお金を支払っても、それを上回る利益を得られれば問題ありません。勉強代を惜しんで損をすることこそ、避けなければならないのです。
まずは、成功者の書いた本を「5冊」読む
誰に学ぶのがよいのか、これも大きな問題ですが、答えは簡単です。儲かっている人に学べばいいのです。教師としてそれ以上に適した人物はいません。
世の中には、相場の予測はするけれども、自分の資産を実際に運用していない人がたくさんいます。金融機関に勤めている人は自分の資産の運用が禁止されていることが多いので仕方ない面もあります。しかし、実際に運用をしておらず、もちろん儲かってもいない人が発信する情報にどれだけの価値があるのでしょうか。
筆者がお勧めする勉強の第一ステップは、本を買って読むことです。株式投資を始めるのであれば、実際に株式投資で儲かっている人が書いた本を最低5冊は読んでください。1冊だけ読んでわかったつもりになって、すぐに本番にデビューしてしまう人がいますが、それでは勉強をしたうちに入りません。
それは、本に書かれている内容がすべて正しいとは限らないからです。残念ながら、自分の商品やサービスを販売するために、儲かった"フリ”をしている著者も多いのです。また、その著者が本当に儲かっていたとしても、その手法があなたに合っているかどうかわかりません。
複数の著者の本を読んでみると、誰の言っていることが正しいのか、自分に適した投資スタイルはどれなのか、といったことが徐々にわかってきます。
そして、自分が参考にすべき情報が見つかったら、著者のセミナーを聞きにいきましょう。そのセミナーには数万円の費用がかかるかもしれません。しかし、そこでひるんではいけません。儲かっている人であれば、自分のノウハウの伝授にお金を取るのは当然です。
資産運用の勉強をする際は、常に教える側の立場に立って考えてみることが重要です。仮に無料で投資手法を公開するセミナーがあったとして、その講師は何のために開催するのでしょうか。ボランティア精神でしょうか。
中にはそういう人もいるかもしれませんが、多くの場合は何らかの目的があるからでしょう。無料セミナーの中で特定の金融機関の商品を推奨していたり、そうでなければ、後で高額な講座に勧誘するのが目的かもしれません。
銀行などの窓口へ行けば、無料である程度の運用相談に応じてもらうことができます。それは、彼らが投資信託などを販売すれば、手数料が受け取れる仕組みになっているからです。顧客のためだけを思ってアドバイスをしてくれる人などいないのです。
そう考えれば、無料やごく低額の参加費で開催しているセミナーで有益な情報が得られるわけはないとわかります。
話を戻すと、本を読み、セミナーに5回程度参加してみて、おおよその投資法がマスターできたら、いよいよ投資デビューのときです。
しかし、初めての投資でいきなり高額な資金を投じるのは禁物です。運転免許証の取得でも学科と実技があるように、投資も机上の勉強だけでは理解できない部分が少なくありません。
まずは、少額の資金を利用して、試してみましょう。それをしばらく続けて、自信が持てたら、本格的な投資を始めるのです。
投資で失敗する人は、いま紹介したどのステップも実行していません。勉強もせず、無料の情報を少し眺めた程度で自分の全財産をつぎ込んでしまったりします。負けるべくして負けているのです。