アクティブシニアが求める、これからの賃貸住宅のカタチとは?

近年の日本では人口減少が進み、賃貸オーナーからは「先行きが不安」の声が挙がり始めてきた。そこで注目したいのが、シニア層を対象とした賃貸住宅経営である。本連載では、シニア向けの賃貸住宅経営の可能性について、すでに15年以上前から元気なシニア向けに特化した賃貸住宅のパイオニア、旭化成ホームズ株式会社シニア事業推進部営業推進室長の依田悦夫氏と営業開発室長の岩並健太郎氏に話を伺う。第3回は同社のシニア向け賃貸住宅が、高く支持されている理由を探っていく。

「マイホーム」と「介護施設」の間に、生活の場を創出

高齢者の生活を充実させていくためには、マイホームとサ高住の間に快適な生活の場を用意するべきなのではないか――。そんなニーズを早くから察知し、元気なシニア向け賃貸住宅『ヘーベルVillage』を展開してきたのが旭化成ホームズである。

 

 

旭化成ホームズ株式会社シニア事業推進部営業推進室長 依田悦夫氏
旭化成ホームズ株式会社シニア事業推進部営業推進室長 依田悦夫氏

依田氏「私たちは60年間建て替えなしで住める『ヘーベルハウス』の施工販売を行うと同時に、リフォーム事業や一般的な賃貸住宅『へーベルメゾン事業』も展開してきました。そうした流れのなかで高齢者対応へのノウハウが自然に蓄積されていきました。現在『ヘーベルVillage』に入居する方の多くは、持ち家からの住み替え。そのうち3割の方が、マイホームを売却しています。私たちはマイホームの売却や賃貸住宅への建て替えなどの選択肢についても相談を受け、支援を提供する体制を整えています」

 

介護なしに生活を営めない高齢者は、全体の2割程度という現状のなか、尊重すべきはアクティブシニアのQOLにほかならない。

 

――子どもの独立後、空き部屋が増えて手入れが重荷

――若い頃は我慢できた駅やスーパーまでの距離が気になり、外出を諦めがち

 

住み慣れた住宅での暮らしに関わらず、シニア世代の行動範囲を狭めてしまうケースは多い。かといって至れり尽くせりのサービスを提供する介護施設での生活は、高齢者の自活力を奪ってしまう。

 

こうした問題を受け、「これまでサ高住の普及を後押ししてきた政府も、旭化成ホームズのシニア向け賃貸住宅に高い関心を示している」と岩並氏はいう。健康寿命をいかに伸ばすか――。少子高齢化に直面する日本の国策と、『ヘーベルVillage』が目指す方向性は、完全に一致しているのである。

元気なシニアの暮らしに配慮した「独自の設計プラン」

では旭化成ホームズの展開する元気なシニア向け賃貸住宅『へーベルVillage』はどのように設計され、どのような設備を整えているのだろうか。

 

まず外部・共用部では「外出・交流を楽しむ」ことに主眼を置いた環境づくりを目指している。

 

旭化成ホームズ株式会社シニア事業推進部営業推進課長 岩並健太郎氏
旭化成ホームズ株式会社シニア事業推進部営業開発室長 岩並健太郎氏

岩並氏「駅から近いこと、周辺に坂道がなく歩きやすいこと、そして近隣にスーパーや公園があることを立地の基本条件としています。隣接する道路から建物までの間には一切の段差を設けません。また何階建ての建物であっても、内部にエレベーターを設置しています。もちろん共用部分の廊下、そして非常階段には必ず手すりが備え付けられています」

 

居室空間はどうだろうか。同社は「家の中を動く」ことを重要視しながら、安全に配慮した設計を行っている。

 

依田氏「居室には主に1LDKと2LDKの2タイプがあり、最低でも1室45平方メートルを確保しています。室内にはなるべく廊下を設けない設計が心がけられている代わりに、12~13畳の広いリビングを確保。浴室やトイレへも温度差を感じず、リビングから直接移動できるよう配慮されています。各室にはエアコンとベランダが完備されており、ウォークインクローゼットなどの収納もたっぷり。また特注の腰かけベンチが据えられた玄関、広い浴槽、そして高さと動線を考えたキッチンなど、シニアの目線をしっかりと反映した設備を備えているのが『ヘーベルVillage』の特徴です」

 

転倒リスクを減らす玄関、シニアの身体機能に配慮したキッチン、情報を一元管理できるラック
   転倒リスクを減らす玄関    シニアの身体機能に配慮したキッチン   情報を一元管理できるラック

 

理想的な環境でありながら、敷金・礼金と家賃などを用意するだけで入居可能、また退居時期も自由に決められるという好条件は、入居者にとって大きな魅力である。今後、ますます増加していく高齢者世帯の受け皿として、安定運営の可能な要素が揃っているのだ。事実、2020年2月に新設された『ヘーベルVillage中央林間』は、募集開始からで1ヵ月で全25戸が満室になるという好スタートを切っている。

 

 

シニア特有の不安を解消する「設備&サービス」

シニア向け賃貸住宅での生活でもう一点気になるのは、やはり不測の事態への備えだ。『ヘーベルVillage』は、どのような対策を設けているのだろうか。

 

岩並氏「各戸に『見守りセンサー』が設置されています。12時間以上室内トイレの利用がないとセンサーが発動し、24時間365日対応の警備スタッフが、確認へ訪れるのです。また社会福祉士などの相談員の定期訪問、医療機関との連携確立など、シニア世代の健康的な生活をさまざまな角度からバックアップする体制が整えられています」

 

さらに『ヘーベルVillage』の各室には、体調急変時に活用できる「緊急通報ボタン」、そして設備の動画説明などを閲覧可能なタブレットも設置されているという。これなら健康問題を気遣うあまり有料老人ホームへの入居を薦める子どもも、安心して親の生活を見守れるのではないだろうか。

 

元気なシニアに特化した賃貸住宅事業15年以上前からに展開し、確かな実績を積み上げている旭化成ホームズは、超高齢社会でも高入居率が実現する賃貸住宅経営を実現させるノウハウを持っている。

 

次回は『ヘーベルVillage』の防災力について焦点をあてていく。

 

 

旭化成ホームズ株式会社 シニア中高層事業推進本部 シニア事業推進部 営業推進室長

著者紹介

旭化成ホームズ株式会社 シニア中高層事業推進本部 シニア事業推進部 営業開発室長

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連載人生100年時代の賃貸住宅経営…なぜ「ヘーベルVillage」で長期安定運営がかなうのか?

取材・文/西本不律 撮影/杉能信介(人物)