長期に渡る医学部受験。わが子はしっかり勉強しているのか、今年こそ合格できるのか…心配が積もるばかりです。最新の大学情報・勉強法・メンタルケアの方法を知り、親子ともども、来たる日に備えましょう。医学部受験の最新情報を配信する『集中メディカ』より、厳選した記事をお届けする本連載。今回のテーマは、「手ごたえが悪かったときの対応」。

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「大学受験、失敗したかも…」と感じてしまったときは

受験シーズンに突入し、これまでの学習の成果が問われる時期となりました。「培ってきた実力をすべて出し切った!」と思っていても、発表までの期間は、誰でも不安なものです。「苦手分野ばかりで点数が取れなかった。今年はダメかも…」と嘆いている皆さん、ここは徹底的に開き直って、来年度に向けた受験対策を考え始めるのはいかがでしょうか。

 

来年度は「大学入学共通テスト(新テスト)」がスタートするなど、「受験革命」の1年になりそうです。そんな未知のフィールドに挑む自分を前向きにイメージして、不安を払拭しましょう。

 

◆新たに与えられた1年を有意義に活用しよう

 

今日から始めれば、来年の受験への準備期間はまるまる1年あります。まさに余裕たっぷりですね。今回の試験直前で気づいたものの、復習が間に合わなかった苦手科目や、苦手分野の克服にたっぷり時間を費やせます。これまでの受験勉強で改善するべき課題は何か、振り返るポイントは大きくわけて以下の4点です。

 

1)勉強法を間違っていないか

 

学力が伸び悩んでいる、頭打ちしていると感じる場合は、これまでの勉強法がどんなものだったか思い出してみましょう。苦手な問題をあえて避けてはいませんでしたか? 今回の試験で点数が取れなかった問題を洗い出してみると、自分の苦手分野が見えてきます。それらの分野の問題を繰り返し解いていけば、おのずと実力が付き、得点が上がってきます。

 

2)根本的な弱点を把握しているか

 

自分には何が欠けているかを明確にしましょう。自分自身の弱点を根本的に克服することこそが合格への近道です。勉強内容だけでなく、学習計画の立て方や学校や家での過ごし方など、時間の使い方も含めて考えてみましょう。TVやゲームに夢中になったり、だらだらと食事をしたり、睡眠・起床の時間が毎日違うなど生活リズムが乱れていませんか?

 

3)時間と量を費やすだけで安心していないか

 

1日にこなす学習量を自分のキャパ以上にテンコ盛りにして、自己満足していませんか? やみくもな学習計画は命取りです。「広範囲に、たくさん」という考え方では効率よく知識を習得できません。自分のこなせる学習量に合わせて、苦手な科目・分野を重点的に行うスケジュールを組みましょう。勉強は量より質です。

 

4)「問題集コレクター」になっていないか

 

何冊もの問題集を次々と解いていくのは素晴らしい作業ですが、間違えた箇所を間違えたまま放置することは、もっとも悪しき習慣です。

 

一つひとつの問題について深いところまで理解し、頭に叩き込むためには、問題集は1冊で十分です。1冊の問題集を何度も繰り返し解いていくことで、広範囲の知識が身につきますし、自分の苦手分野に気づきやすいものです。不正解の問題にマーキングしていくと、不思議なことに自分の不得意とする傾向がくっきり見えてきます。

 

「自分の努力が足りなかった」と嘆く必要はありません。サボっていたから点数が取れなかったわけでもありません。漠然とした反省は必要ありません。上記の4つの考察から、具体的な改善策が見つかれば次回は楽勝です。

 

敗因は何だったのか
敗因は何だったのか

2021年は大学受験革命の年に?

新聞報道等で発表されているように、今年度までのセンター試験にかわり、2021年から「大学入学共通テスト(新テスト)」が導入される模様です。大学入試センターから発表されている新テストの主な変更内容は以下のとおりです。

 

※2020年1月23日現在、大学入試センターH.P.から引用抜粋。

※「 」で記載されている科目は、高等学校学習指導要領上設定されている科目を表し、『 』はそれ以外の科目を表す。

 

●記述式問題及びマーク式問題の新たな出題形式

・国語と数学において、それぞれ小問3問の記述式問題を導入し、解答用紙に新たに記述式問題の解答欄を設ける。

・記述式問題の成績については、国語では、マーク式問題とは異なり、全体及び小問ごとの段階表示を行う。また数学では、段階表示は行わず、マーク式問題と同様に配点をする。

・マーク式問題の新たな出題形式として、いわゆる連動型の問題(連続する複数の問いにおいて、前問の答えとその後の問いの答えを組み合せて解答させ、正答となる組合せが複数ある形式)を「第2」に示す問題作成のねらい、範囲・内容等を踏まえて、出題する場合がある。

 

●出題教科・科目の問題作成の方針

・国 語

出題科目:『国語』

出題方法等:「国語総合」の内容を出題範囲とし、近代以降の文章,古典(古文,漢文)を出題する。

解答方法等:マーク式及び記述式(記述式は近代以降の文章のみ)

試験時間・配点:100分(マーク式問題200点及び記述式問題の段階表示)

 

・数 学①

出題科目:「数学1」『数学1・数学A』

出題方法等:『数学1・数学A』は、「数学1」と「数学A」を総合した出題範囲とする。ただし、次に記す「数学A」の3項目(場合の数と確率、整数の性質、図形の性質)の内容のうち、2項目以上を学習した者に対応した出題とし、問題を選択解答させる。

科目選択の方法等:上記出題科目の2科目のうちから1科目を選択し、解答する。

解答方法等:マーク式及び記述式(記述式は数学1の内容に関わる問題のみ)

試験時間・配点:70分(100点(記述式問題を含む。))

 

しかし昨年12月、「受験生の不安を払拭し、安心して受験できる体制を早急に整えることが現時点では困難である」として、文部科学省から突然の「記述式問題実施見送り」の発表がありました。文科省は、「令和3年1月に実施する大学入学共通テストにおける国語及び数学の問題構成や試験時間、配点などをどのように取り扱うかについて、早急に専門家による検討を行い、できる限り速やかに方針を示す」としています。

「できなかった」という感触こそが「合格の兆し」?

入試直後に「今日のテスト、どうだった?」と質問すると、普段あまりできない人が「良くできた」と楽観的に答えるケースと、普段良くできる人が「できなかった」と悲観的に答えるケースがあります。この二通りの現象はなぜ起こるのか、分析してみましょう。

 

まず、「良くできた」と答える人は、実際にはできなかった問題をなきものとして、自信のある問題だけを強く記憶しているため、楽観的な態度を示す傾向があると考えられます。

 

一言でいえば「現実逃避」。悪い結果であるわけがないと自分自身を騙し、安堵に包まれている状態にあります。この傾向は学習面にも反映されがちです。面倒な苦手科目にはまったく手を付けず、簡単に解ける得意科目ばかり学習するという負のスパイラルに陥ってしまうのです。

 

一方の「できなかった」という人は、自分のほとんどの解答を記憶しています。だからこそ、終了後ただちに分析してしまうと、ミスした点ばかりに気持ちがいってしまうのです。普段のパフォーマンスがいいことも相まって、「あれもこれもダメだった…」と、ひどく落胆してしまう傾向にあります。

 

ですから、今落ち込んでいる皆さんは、そこまで思い悩む必要はないのです。

 

なお、いろいろな予備校が解答速報を出しますが、『1次突破ライン○パーセント』といった情報はまったくあてになりません。過ぎたことに一喜一憂するのは時間の無駄ですし、何より大切なのは、試験後すぐに気持ちを切りかえ、次の勉強をすることです。気を休めつつ、間違えた問題や解けなかった問題の解法を再度確認し、来たる試験に備えましょう。

 

 

亀井 孝祥

医学部受験専門予備校メディカ 代表

 

本記事は、医学部受験サクセスガイド『集中メディカ』ホームページのコラムを抜粋、一部改変したものです。