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「1校も受からないとかってあるんだな。」
「ずっと続けてきた受験勉強が実を結ばず、今春から浪人生となってしまいました。努力してきたのに残念な結果となり、親からは厳しい声ばかりを浴びせられています。努力が足りなかったと自分でもわかっているので、その言葉は身に沁みますが、受け入れる余裕はありません」(18歳・医学部浪人生)。
今の時期、親御さんの𠮟責に、酷く落ち込んでしまう浪人生が少なくありません。傷つけるつもりはなかったとしても、その他愛ない一言が、合格という未来を失くしているかもしれませんよ。
3月は、浪人生が心機一転で再チャレンジするために重要な時期です。そこで本記事では、いま親ができることは何か、考えていきます。
◆「あれだけの数を受けて1校も受からないとかってあるんだな。」
父親は医師、母親も看護師という医療系家庭に生まれ育った、とある生徒。「医師を目指してほしい」という両親の強い希望もあって、小学校低学年から名門学習塾に通い、勉学に励んでいました。今年は集大成となる受験の年でしたが、残念ながら「不合格」となってしまったのです。
母親は泣き、父親は目も合わせてくれません。挙句の果てに父親からは「あれだけの数を受けて1校も受からないとかってあるんだな。大丈夫か」と呟かれてしまいました。母親からも「同じクラスの○○君は、○○大の医学部に合格したんですって」となじるような言葉を投げかけれ、さらに落ち込んでしまうことに。
この生徒は、決して手を抜いたわけではありません。どんなに頑張っても叶わないこともあります。本人はすでに深く傷ついているのに、親御さんがさらに輪をかけて言葉攻めするのは、いかがなものでしょうか。
受験生が「親から伝えられたくない」言葉の数々
「勉強しなさい」「お前はダメだ」「成績、上がってないね」「志望校を変えたら?」「あなたの実力じゃ無理よ」「どこでもいいから受かってね」「今やっておかないと、あとで後悔するのはあなたよ」「あなたにはお金をかけてきたのよ」…これらは、受験生が親にいわれたくない言葉です。
「これからどうするの?」「大丈夫なの?」「もっと頑張ればよかったのに」「努力不足じゃないの?」…これらは、浪人生が親にいわれたくない言葉です。
最近の受験生は、親世代と比較してナーヴァスな印象を受けます。「落ちるかも」など、他人から不安になることを伝えられると、それが暗示になり、士気が下がる原因になってしまうのです。
また、勉強の成果がなかなか出ない子どもを見て、「諦めたら?」と伝えることも、同じく逆効果です。親御さんが、受験生よりも先に不安になってはいけません。
まだチャレンジしていないうちからこんな言い方をされたら、大人だってしょげてしまうでしょう。厳しい言葉での叱咤激励は、受験生に発破をかけるための親心かもしれませんが、本人にとってはキツい一撃になっているのです。
受験生・浪人生から聞いた「親のNGな対応」
・過干渉すぎる
偏差値、点数、志望校の定員数…受験生の希望を無視し、すべて数字で判断するのは避けましょう。また、模試などのテスト結果で親に一喜一憂されるのも受験生にとって苦痛です。塾の三者面談で受けたアドバイスを、繰り返し伝え続けることもNGです。
・無関心すぎる
模試などの直前に、映画や買い物などに誘ったりするのも、受験生のイライラにつながります。「受験勉強の気晴らしに」と思っての気遣いであることはわかりますが、勉強の調子が乗っているときかもしれません。模試とはいえ、本番直前の大事な時期であれば、様子を見てそっとしてあげてください。また、「受験勉強なんて意味がないから、子どもらしく遊びなさい」などと、受験自体を否定するような親御さんもいます。受験生は自ら望んで勉強していますので、意志を尊重してあげてください。
・他人と比較する
友人が合格したことを知らされ、「○○君はすごいね。それに比べてあなたはどうなの?」と比較されることも、受験生の心の傷になります。「不合格になったとき、友人や知人の合格を知らされたのが、一番イヤだった!」といった声をよく聞きます。
・愚痴る
予備校の費用や受験費用、ひいては医学部合格後の学費まで、経済的な負担について、延々と愚痴る親御さんがいます。「お前が大学に落ちたらウチはおしまいだ」「私立に行かせる金はないぞ」「予備校代は高いんだぞ」など、勉学の成果のみならず、お金にまつわる不安までかぶせられたら、受験生はたまったものではありません。
・的外れな問いかけ
「やり方が間違っているんじゃないの?」「こんな成績で、真剣にやっているの?」といった言葉でプレッシャーをかけてくる親御さんもいます。受験生は精いっぱい頑張っています。的外れな問いかけは、順調だった受験勉強にブレーキをかけてしまうかもしれません。また「大丈夫? 受かりそう?」と聞かれても、「大丈夫だよ」など気の利いた言葉を返す余裕もありません。受験生は前を見るだけで必死なのです。余計な気を遣わせるような質問は、やめましょう。
「健康管理と生活リズムの維持」は親の役目
受験生活で大切なのが、健康管理と生活リズムの維持です。とくに浪人生は予備校での勉強にかかりきりで、1日の時間管理がうまくできない傾向にあります。
徹夜ばかりしすぎて、朝寝坊の癖がついてしまうなどもってのほかです。「早起きできない受験生に勝算はない」ともいわれますので、無理のない範囲で、早寝・早起きの習慣を身につけるように促しましょう。
朝・昼・晩と規則正しく食事を摂ることも大切です。朝は消化が良くて活力になるメニュー、持久力をつけるため、昼食には栄養豊富なお弁当を持たせましょう。夕食や夜食も、勉強の妨げにならないよう、胃もたれしない軽めのメニューで工夫するなど、受験生を健康面からサポートするのも大事な役割です。
進路について、親子でじっくり話し合うことも大切
受験のスタート地点ともいえる「志望校選び」において、親子間で意見が割れてしまい、双方の関係に亀裂が入ってしまうケースも多々あります。親子そろってゴールを目指さなければ、受験生の意志がブレてしまう原因にもなりかねません。親の夢を子どもに背負わせていませんか? 子どもの幸せと親の幸せを混同していませんか? 子どもが描く将来について知るために、お互いじっくりと話し合う時間も作りましょう。
バブルを知っている親世代と比べて、現代の子ども世代は無駄遣いをしない、常にコスパを優先するなど堅実な面があります。そのため、自らの進路についても合理的、かつ真剣に考えています。親自身の焦りや不安から心無い言葉をかけるより、子どもを信じて見守ってあげましょう。
ただ、言葉にしなければ伝わらないこともあります。見守ることも必要ですが、子どもが孤独を感じている様子であれば、「何かしてほしいことがあったら教えてね」と、一言声をかけてあげてください。
亀井 孝祥
医学部受験専門予備校メディカ 代表