「住宅性能評価」の10項目とは?
住宅性能評価とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」として設けられた制度です。それまで統一基準のなかった住宅の性能評価を、共通基準で行うことを目的に制度が作られました。
性能を客観的に評価する第三者機関を設置し、共通基準で住宅を評価。住宅購入検討者は、等級・数値で客観的に比較検討できるのです。住宅性能評価は、「通信簿」のようなものと理解しておくと良いでしょう。
◇表示対象は10分野
住宅性能の表示対象は10分野にわたります。①③④⑤に関しては、次の項で詳しく解説します。
【住宅性能評価対象】
①構造の安定に関すること
②火災時の安全に関すること
火事が起きたときは、安全に避難できることがポイントです。万が一の火災時の燃え広がりにくさ・避難のしやすさ、隣家が火事のときの延焼のしにくさなどを評価。
③劣化の軽減に関すること
④維持管理・更新への配慮に関すること
⑤温熱環境・エネルギー・消費量に関すること
⑥空気環境に関すること
接着剤等使用の建材から発散するホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因のひとつ。接着剤などが建材に使用されているか状況を評価します。
⑦光・視環境に関すること
東西南北および上方の5方向について、窓の大きさなど採光性能を評価。
⑧音環境に関すること
おもに、共同住宅を対象に遮音性能を確認。上下の住戸への音、隣の住戸への音に関して、どの程度伝わりにくいかを評価します。
⑨高齢者等への配慮に関すること
出入り口の段差をなくす、階段の勾配をゆるやかにするなど、どの程度の配慮かを評価。
⑩防犯に関すること
開口部からの侵入防止策として、建物部品や雨戸が設置されているかなど、防犯対策に関して評価します。
・住む人の絶対評価ではない
以上10項目によって、住宅性能評価が行われます。ただし、「すべての等級が最高等級=いい住宅」かというと、少し違ってくるでしょう。
大きな窓を望む方は多いとお考えになるかもしれません。しかし、窓を大きくすると耐震面で評価が下がり、構造の安定に対する等級は低くなる可能性が大きくなります。つまり、入居者の希望を優先すると、等級は低くなることもあるということです。
この評価は判断基準の一つではありますが、「住む人が望む快適な暮らし」実現のためには、絶対的な評価基準ではありません。
協同住宅で新築に必須となっている項目とは?
前項でご紹介した10の評価項目のうち、2015年4月以降、マンションなどの共同住宅で新築に必須となっている項目に関して解説します。評価を見るときは、特にこの項目に注目すると良いでしょう。
①構造の安定に関すること
地震などの災害時における倒壊のしにくさ・損傷の受けにくさについて評価します。
③劣化の軽減に関すること
年月の経過によって柱や土台などがあまり痛まないように、どの程度対策されているか耐久性を評価します。
④維持管理への配慮に関すること
水道管・排水管・ガス管など、配管類の点検・清掃・補修のしやすさ、更新対策などの評価です。
⑤温熱環境・エネルギー・消費量に関すること
暖房・冷房を効率的に行うため、壁や窓の断熱・冷暖房設備、太陽光などの創エネルギーの総合評価です。
甲府物件にはどんなメリットがあるのか?
住宅の性能というのは、一般的にはわかりにくい部分です。第三者の評価は、大きな安心材料になるでしょう。
■交付物件のメリット
・住宅性能について客観的に評価
住宅の性能が共通の基準で等級化・数値化されているので、専門知識がなくてもわかりやすいはずです。
・住宅ローンの優遇
金融機関や公共団体の住宅ローンを利用する際、金利が優遇されます。
・地震保険の優遇
耐震等級に応じて地震保険の割引が適用されます。最高ランク「耐震等級3」の場合、50%の割引です。
・トラブルの際は紛争処理機関が対応
トラブルが起きた場合、住宅専門の処理機関に対応を委託できます。
・転売時の資産評価が適正
「住宅の通信簿」である住宅性能評価書があるため、正当な資産評価がされます。多くのメリットがある反面、住宅性能評価が交付された物件は建築コストが上がり、その分物件価格も高くなる傾向があります。
物件選びの参考に有効
不動産投資において、最も重要なのは物件選びです。安定した収入は物件選びにかかっていると言って良いでしょう。住宅の通信簿的な存在の住宅性能評価は、第三者が客観的に評価し数値化・等級化したもの。判断の際には安心材料になりますし、地震保険の割引もあります。 トラブル対応は専門の処理機関にお願いできるのもいいですね。
不動産投資の物件を探す際、この評価を一つの参考にしてもよいのではないでしょうか。