「ポイント」というと、買い物をする時に値引きに利用できるポイントを指すのが一般的です。しかし、最近では、電子マネーへの交換や金融商品の購入代金に充てられる、実質的に「現金」に近いポイントも増えてきました。そしてこのポイントは、一般的にクレジットカードで決済することで付与されます。今回は、これらのポイントを使った投資である、「ポイント投資」について紹介します。※本連載は、将来お金に困ることがないように、若いうちからできるライフプランニングに役立つ情報を紹介する「ライフプランnavi」の記事を抜粋、一部改変したものです。

「疑似体験」サービスから始められるポイント投資

ポイントには有効期限のあるものと、実質的に無期限のものがあります。無期限のポイントに、投資に回せるものが増えてきています。今まで馴染みのなかった金融商品への投資を体験するきっかけにするのも良いですし、

 

年金のように、将来の自分に仕送りしてあげる感覚で投資することで、お金を貯めても良いでしょう。

 

【ポイント運用型】

ポイント投資には、「ポイント運用型」と「リアル運用型」の大きく2パターンあります。

 

ポイント運用型は、ポイントによる投資の疑似体験サービスです。投資信託などの実際の金融商品の価額の上下にあわせてポイントが増減します。売却(決済)すると、現金ではなくポイントを受け取れます。

 

ポイント運用型には、以下のようなサービスがあります。

 

クレディセゾン「永久不滅ポイント」、NTTドコモ「dポイント」など

 

【リアル運用型】

リアル運用型は、ポイントによる投資の実践サービスです。投資信託などの実際の金融商品を、ポイントで購入して運用できます。売却(決済)すると現金を受け取れます。
リアル運用型には、以下のようなサービスがあります。

 

インヴァスト証券「インヴァストカードポイント」、楽天証券「楽天スーパーポイント」、トラノコ、松井証券「松井証券カードポイント」、SBIネオモバイル証券「Tポイント」(※2019年10月現在)

 

さらに今後は、まとまったお金がなくても、ポイントで上場企業の個別株式を買えるサービスも増えてきそうです。

「ポイントがポイントを呼ぶ」仕組みを活用

投資未経験者は、「損したくない」「わけの分からないものに投資したくない」と考えている方も多いでしょう。実はこれらの不安は、投資金額を抑えることと、ポイントのように元手ゼロで始めることで、かなりの部分を解消できます。

 

また、投資を始めて間もないうちは、色々試してみたいものですが、ポイントはこのようなニーズにも対応できます。どの制度を使えば良いか、どの金融商品を買えばよいか、元手ゼロから始めるポイント投資なら、自分に合ったやり方が見つかるまで、低額でチャレンジしやすくなるからです。

 

投資シミュレーションなど投資の疑似体験ができるサービスもありますが、実際の資金を投入してみないと、簡単に儲かってしまうような錯覚を持ってしまうことが多く、リアリティの低さが問題でした。元手ゼロのポイント投資を利用することで、これらの実際の経験がしやすくなったことは、投資初心者にとっては大きな変化です。

 

さらに、このポイント投資は、最近話題になっている「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や、「つみたてNISA」などの「積立投資」と非常に相性がよいものです。毎月定額を積立てし続けるこれらの方法(ドルコスト平均法)は、投資金額を増やせない投資家にはとても好まれやすい投資法となっています。

 

ドルコスト平均法では、毎月積立てを継続することが一般的です。ポイント投資の原資であるポイントは、付与されるタイミングが通常は毎月あり、両方を組み合わせることで、毎月の積立額を増やすことも可能ですし、相場環境や自分の都合により、ポイント投資を実行しない月を作ることも可能です。

 

日常の買い物などのプライベートな出費は、有効期限付きのポイントや、投資に回せないポイントを利用することで節約しましょう。それから、実質無期限のポイントや有効期限の長いポイントなどの投資に回せるポイントを使って、投資金額を底上げします。場合によっては、資産残高や取引回数に応じて、さらに投資にまわせるポイントが付与されるケースもあります。このようなポイントがポイントを呼ぶ仕組みを活用しましょう。個人差はありますが、月々2万円を投資している人が、毎月2,000ポイントを獲得しているのであれば、これだけで年間10%の投資金額アップが可能になります。

 

最後に、ポイント投資の税金について説明します。ポイント運用型は、換金時はポイント受取りのため、税金はかかりません。リアル運用型は、例えば証券会社の課税口座(特定口座・一般口座)で運用する場合には、換金時に利益がでていれば税金が発生します。利益が出た時に譲渡益など税金を引かれたくない場合は、非課税口座(つみたてNISA・NISA)を利用すると良いでしょう。当然ですが、投資に回せる資金は無尽蔵に湧いてくるものではありません。

 

もし使わずに眠っているポイントがあるのでしたら、活用してみてはいかがでしょうか?

 

 

※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。