2020年まで年率50%以上で成長するという予想も
ソーシャルレンディングが誕生したのは、2005年の英国です。その後、米国、欧州、そして中国、韓国をはじめとしたアジアにも拡大し、その市場規模は2015年時点で、米国で約2.3兆円、欧州は約6000億円、アジアでは約15.7兆円へと急成長しています。2014年には世界最大手のソーシャルレンディング運営会社である米国「レンディングクラブ」がニューヨーク証券取引所に上場し、直後に時価総額が1兆円に達して大きな話題になりましたが、その後もソーシャルレンディングへの関心は高まる一方です。
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英国調査会社のレポートでは、2020年までにソーシャルレンディングの世界市場規模は年率53%以上で成長すると予想されており、米国のベンチャーキャピタリストも2025年までに融資総額が100兆円に達すると予測するなど、いまソーシャルレンディングは一大市場として世界で活況を呈しています。
そんな中、日本のソーシャルレンディング市場も、2014年に約143億円、2015年に約310億円、2016年には約533億円と速いペースで成長し続け、今年は1000億円市場になるとみられています。しかし、それでも米国などの規模に比べればまだまだ小さいのが現状です。今後の成長余力が非常に大きい、それが日本のソーシャルレンディング市場だといえるでしょう。
お金を借りたい人に、お金を持っている人が「貸す」
ソーシャルレンディングとは、一言でいえば、「金融機関を介さないお金の貸し借り」だと考えてください。「お金を借りたい人に、お金を持っている人が貸す」という構造です。投資家(貸し手)サイドから見れば、借り手による融資(ローン)のリスクを負う代わりに、預貯金などよりも高い利回りを期待できます。一方で、借り手側は融資を迅速に受けることができ、場合によっては利息を従来よりも抑えられるという、相互にメリットが大きい仕組みです。この双方向でのメリットは、市場拡大が進む大きな理由になっています。
事業資金が必要な事業者や、生活資金が必要な消費者などの「お金を借りたい人」に対して資金を提供する仕組みとしては、従来から銀行などの金融機関による融資があります。また企業であれば、上場や社債の発行によって資金を調達する方法もあります。しかし、金融機関からの融資にしても、社債の発行等にしても、既存の資金流通ネットワークによる資金調達にはさまざまなハードルがあり、誰でもが簡単に資金を調達できるわけではありません。
さらに広く世界に目を向ければ、銀行を中心とした金融システムがまともに機能していない途上国が数多く存在します。人口比で見るなら、日本のように高度な金融システムを一般消費者でも手軽に利用できる国のほうが、実は少数派なのです。ソーシャルレンディングは、このような既存の資金流通のネットワークでは資金が調達できない全世界の「お金を借りたい人」に対して、インターネットを利用してどこへでもお金を届けられる画期的な仕組みだと言えます。
「ミドルリスク・ミドルリターン」の新たな投資先
ソーシャルレンディングのリスクとリターンについて、日本の個人金融資産で大きな比率を占める銀行預金と比較して説明しましょう。銀行の場合、預金者から集めたお金を資金需要者(借り手)に融資をして利息をもらいます。その利息から一部分を、預金者への利息として支払い、受取利息と支払利息の差額を、銀行の利益としています。ただし、もし融資が焦げ付いたりした場合には、その損失は銀行が負担します。預金者からすれば、銀行がリスクを負ってくれる代わりにリターンは少ないというものです。
一方、ソーシャルレンディングでは、まず資金需要者が支払利息や融資期間など、どれくらいの条件で資金を融資してもらいたいのかを提示します。投資家は、その条件を見て資金の融資をするか否かを決定します。投資家と資金需要者の間に立って、資金や情報の仲介をするプラットフォームが、私たちのようなソーシャルレンディング業者になります。そして、資金需要者と投資家の両方(またはどちらか)からいただく手数料がソーシャルレンディング業者の利益になります(手続き上、投資家は資金需要者に直接融資をするのではなく、融資を行うソーシャルレンディング業者への融資となります)。
このソーシャルレンディングで、もし融資の返済が焦げ付いた場合には、その損失は投資家が引き受けることになります。ここが、銀行預金との大きな違いです。このリスクをとる分、銀行融資とは比較にならない高い利息を得られるわけです。
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この「ミドルリスク・ミドルリターン」の商品性が、ソーシャルレンディングの大きな特徴です。国内大手のソーシャルレンディング運営会社が投資家に表示する期待利回りは、ほとんどが年率5~10%前後となっています。国債や定期預金などと比べると、この利回りの高さは魅力的なものです。一方で、資金需要者への「目利き」がしっかりできれば、ソーシャルレンディング業者は適正化されたリスク・リターンの投資商品を提供することできます。日本には現状、こうした「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資先がほとんど存在しません。
また、「目利き」を通した案件に限られるものの、ソーシャルレンディングでは銀行等のブラックボックスが存在しないため、投資家としては資金の行きつく先のリスクとリターンに納得感を持ったうえで、投資実行ができる点にも特徴があります。業者としては「目利き」の力と、規制上で許される範囲での透明な「情報開示」が競争力の源泉となるでしょう。「ミドルリスク・ミドルリターン」で「納得感のある投資」実行を可能とするソーシャルレンディング投資への関心は「高まって当然」といえる状況なのです。