今年、設立10周年を迎えるコモンズ投信。前回は、コモンズ投信が価値共創に取組んだユニ・チャームの事例をご紹介しました。締めくくりは、ユニ・チャームの高原豪久社長をお招きしたイベントで、会長の渋澤健と行った対談をお届けします。

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「何よりも大事なのは人を育てること」

渋澤 経営と現場の関係についてお聞きしたいのですが、現場が経営視点を持って事に臨むための腹落ち感と共に、経営が現場の知恵を活かすという相互関係は、とても大切だと思います。高原社長はそこをきちんと実践していらっしゃいますが、どうやってその関係性を築いているのですか。

 

 

高原 私、1週間のうち社員と居酒屋へ飲みに行く機会が多いのですが、現場のことを知るためには、そうとう社員と酌み交わす必要があります。そうしないと、なかなか本音を語ってくれません。

 

まあ、なかなか居酒屋談義では本音を話してくれないことは分かっているのですが、それでも何回も繰り返していると、徐々に分かってくるものがあります。素振りを1000回やっているようなものですね。居酒屋談義は素振りです。あとは、社員の誕生日におめでとうメールを送ります。それも、出来るだけ2人でしか分からないような話を添えて送ります。そのようなことを繰り返しているなかで、徐々にですが健全な文句が社員から上がってくるようになりました。そういう本音の部分、つまり現場の感覚と、自分自身の経営者としての直観を、居酒屋で刷り合わせているのです。

 

渋澤 役員の方がコミットメントを表明し、1年後にその目標を達成できなかったら、役員に再任されないということですが、このコミットメントの意味を詳しく教えていただけますか。

 

高原
ユニ・チャーム社長 高原豪久氏

高原 まず、何にコミットするかですね。これは詭弁かもしれませんが、やはり財務的な数字以上に重要なことがあって、それはユニ・チャームという会社が、世の中の役に立ち続けているかどうかということであり、自分たちの後進がしっかり育っているかどうかということです。10年先、20年先、30年先のユニ・チャームをいくらデザインしても、実際にそれを実行するのは社員たちなので、人材が育っているかどうかは大事です。もちろん、業績的なところにもコミットはしますが、何よりも大事なのは人を育てることであり、そうしないと企業の寿命は続きません。

 

渋澤 以前、御社で女性の活躍セミナーをさせていただいた時、社員の方が「ユニ・チャーム・ウェイ」という分厚いバイブルのようなものを持っていました。あれはどういうものなのですか。

 

高原 中身は、まさにバイブルです。「ユニ・チャーム語録」というのがメインコンテンツで、そこには世の中の格言や、企業経営の金言で構成されています。要は、世の中の賢人たちが言っていることを、ユニ・チャーム流に咀嚼し、書き替えて集めたものです。またユニ・チャーム・ウェイとは、これから2030年に向けてやろうとしている、会社を作り変えることにつながるのですが、それは会社の遺伝子を組み替えることであり、その遺伝子にあたるのがユニ・チャーム・ウェイだと思っています。

 

渋澤 2030年の前に2020年があります。私は、団塊世代から団塊ジュニア世代への世代交代が進む時期だと見ているのですが、いかがでしょうか。

 

高原 それで世の中が大きく変わるかどうかは何とも言えませんが、世の中の人、一人ひとりが、自分は少しでも進歩したことを実感できるような、言うなれば、自己実現が出来る社会にしたいですね。

 

(敬称略)

コモンズ30ファンドが掲げる”対話”とは?

コモンズ30ファンドが掲げる”対話”とは、受益者(お客様)には自身の投資先である企業と対話できることの安心感や応援する楽しさを知ってもらうこと、そして投資先企業には、投資家でもあり消費者でもある受益者(お客様)との対話で企業価値の創造につなげていただくことです。

 

これからも、企業(経営者)と同じ時間軸で企業の価値向上につながる“対話”を続けて行きたいと思っています。

 

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