少子化が進む一方で、「我が子にはより良い教育を受けさせたい」と私立中学校の人気は高まるばかり。いったいどれくらいの児童が中学受験を経験し、実際に私立中学校に進学しているのでしょうか。東京都教育委員会の資料から、東京都市部のデータを見ていきます。
【最新】東京市部「私立中学進学率ランキング」…都市部と郊外の露骨な受験格差 (※写真はイメージです/PIXTA)

【最新】【すべて見る】2021年、東京市部「私立中学進学率ランキング」

東京都区部の中学進学率は23.90%。一方、東京都市部は?

時差登校を強いられたり、リモートで授業が行われたりと、コロナ禍ではなにかと制限が多かった教育現場。そのようななか、2021年に中学生に進学した小学生は、東京都で9万7,695人。そのうち受験を経て、私立中学校に進学したのは1万8,281人で、進学率は18.7%。東京区部では23.90%と、4人~5人に1人は私立中学に進学しています(関連記事:『【最新】東京23区「私立中学進学率ランキング」…区内の「受験格差」さらに拡大』)。

 

いまや都市部では中学受験は当たり前のような感覚がありますが、郊外の場合はどうでしょうか。東京市部の私立中学校の進学率を見ていきましょう。

 

東京都教育委員会『令和3年度公立学校統計調査報告書』によると、令和3年3月に東京都市部の公立小学校を卒業したのは3万4,505。さらに郡部では463人、島嶼部では181人が、小学生を卒業しました。そのうち私立中学校に進学したのは、3,559人。さらに郡部では17人、島嶼部では1人が私立中学校に進学しています。私立中学校進学率(都外中学校等への進学者を除く)は、10.44%。区部に比べて、13ポイント以上の差が生じています。

 

中学受験熱は、都市部と郊外で大きな差があるようです。

東京都市部の私立中学進学率…第3位「狛江市」、第2位「三鷹市」、第1位は?

さらに上位3つの自治体について見ていきます(関連記事:『【すべて見る】2021年、東京市部「私立中学進学率ランキング」』)

 

第3位は「狛江市」で、私立中学校進学率は17.13%。東京都区部では「練馬区」の次、20位にランクインする進学率です。「狛江市」があるのは、世田谷区の隣。市内を小田急小田原線が走り、「狛江」駅の2つ先には「成城学園前」駅。「成城学園」を中心とした学園都市であり、東京でも知られた高級住宅地。教育熱が高い地域として知られています。そのため駅周辺には中学受験に定評のある大手進学塾が集積しています。その隣に位置する狛江市は、中学受験を目指す家庭にとっても絶好の環境といえるでしょう。

 

続いて、第2位は「三鷹市」で、私立中学校進学率は20.24%。東京都区部では「荒川区」の次、17位にランクインする進学率です。「三鷹市」はJR中央線「三鷹」駅の南に広がる市。市内には「法政大学中学校」「明星学園中学校」の2つの私立中学校があるほか、都立の中高一貫校である「三鷹中等教育学校」があります。また「国際基督教大学」や「杏林大学」などの大学キャンパスもあり、自然と将来の受験を見据えることのできる環境といえるでしょう。