現役時代は猛烈に働き、高年収を稼いで家庭を支えてきた元エリート夫。しかし定年後、自宅で無為に過ごす姿にパート勤めの妻は強い苛立ちを募らせます。そんななか、妻の留守中に取った「ある行動」が決定的な亀裂を生むことに――。第二の人生で露呈する夫婦の意識のズレと、円満な関係を築くためのポイントを考えていきます。
「ふざけるな!」 年収1,200万円だった元営業部長、定年後はダラダラ過ごしていたが…妻が激怒した「留守中のやらかし」 ※写真はイメージです/PIXTA

年収1,200万円の元営業部長、定年後は家でテレビを見るだけの毎日

大手企業で営業部長を務めていた小林修さん(65歳・仮名)。現役時代の年収は1,200万円を超え、部下を率いて全国の営業拠点を飛び回る生活を送っていました。

 

仕事では常に忙しく、家庭のことは妻に任せきり。一方で大きな買い物や家計の方針についても、自分の意見を優先することが多かったといいます。

 

60歳で完全に退職した修さんは、これからはゆっくり過ごすつもりでした。

 

ところが、いざ会社に行かなくなると、毎日の過ごし方がわかりません。朝は遅く起き、着替えもそこそこにリビングへ。テレビをつけて昼まで過ごし、昼食後はソファで横になります。午後も動画を見たり、新聞を読んだりするだけ。外出するのは、たまに近所のコンビニへ行く程度でした。

 

妻の智子さん(58歳・仮名)は、夫の退職を機に家計を見直し、近所のスーパーで週4日のパートを始めました。これまでの貯蓄に加え、退職金もあるものの、年金生活に入るまでの期間や今後の生活費を考えると、少しでも収入を確保しておきたかったからです。

 

しかし、智子さんが仕事から帰宅しても、家の中は朝出かけたときと変わりません。食卓には夫が食べた食器が残り、洗濯物も干したまま。夕食の支度も智子さんが担当します。

 

「私も働いているんだから、少しは家のことをしてくれない?」

 

そう頼んでも、修さんは「俺は40年間、家族を養ってきたんだ。今くらい休ませてくれ」と返すばかりでした。

 

智子さんは、夫に現役時代と同じように働いてほしいわけではありません。ただ、せめて自分が仕事に出ている間に、食器を洗う、洗濯物を取り込むといったことくらいはしてほしかったのです。

 

ある日、新聞の折り込みチラシを眺めていた修さんは、不用品の出張買い取りサービスに目を留めました。

 

「そうだ。家の中を整理すれば、少しは役に立つだろう」

 

こうして、妻に相談することなく、業者を呼ぶことにしたのです。