夫婦関係において、嘘や隠し事は大小を問わず不信の種となりますが、とりわけ「お金」や「親族」を巻き込んだ虚偽は、婚姻生活の根幹を揺るがします。事例を見ていきましょう。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したものです。
「もう信用できません」年収800万円の42歳会社員夫、義父から告げられた〈驚愕のひと言〉…専業主婦の41歳妻が隠していた“500万円の嘘” (※写真はイメージです/PIXTA)

身近な投資トラブルと、現金贈与の危険性

友人や知人といった身近な人間関係や、SNSを足がかりにした投資トラブルは、近年後を絶ちません。

 

金融庁の注意喚起や国民生活センターに寄せられる相談事例において、「必ず儲かる」「元本保証で毎月高配当が得られる」「限定された枠である」と謳う勧誘は、典型的な詐欺的投資の手口として報告されています。特に「海外ファンド」「未公開株」「暗号資産の自動運用」といった専門用語を用い、初期費用として数百万円単位のまとまった資金を一括で要求する手口は危険です。

 

金融商品取引法に基づく登録を受けていない無登録業者や個人が投資の出資を募る行為は法律で厳しく規制されています。親しくなった間柄であっても、金融の専門知識を持たない知人の話を鵜呑みにし、契約書面や登録状況の確認を怠ったまま大金を預ける行為は、全額を喪失するリスクと隣り合わせです。本来、資産形成は金融庁の認可を受けた正規の金融機関を通じて、自己資金の余力の範囲内で行うことが鉄則です。

 

また、今回のケースで看過できないのが、500万円という高額な現金を無申告で授受したことによる「贈与税のリスク」です。

 

個人から財産の贈与を受けた場合、年間110万円の基礎控除額を超える部分には贈与税が課税されます。直系尊属(父母や祖父母)から成人(18歳以上)の子へ500万円を贈与した場合、基礎控除後の課税価格に対し15%の税率が適用され、控除額を差し引いた額の納税義務が発生します。

 

生活費や教育費の名目で必要な都度手渡される金銭は非課税となる規定が存在しますが、これは「その都度、直接生活費や学費の支払いに充てられた場合」に限定されるもの。今回のように嘘を理由にまとまった現金を一括で受け取り、投資資金に回している実態がある場合、生活費としての非課税扱いは認められないでしょう。

 

さらに、「手渡しの現金であれば税務署に把握されない」という考えは誤りです。国税庁の国税総合管理システムにより、個人の金融機関口座における高額な現金の引き出しや不自然な資金移動は記録されています。親側の口座から多額の現金が引き出された履歴は、税務調査や将来の相続発生時に照合されます。無申告が発覚した場合には、本来の贈与税額に加え、ペナルティとして無申告加算税や延滞税が追徴課税され、多大な経済的損失を被る可能性が高いです。

 

虚偽の申告で親族から資金を引き出し、リスクの高い投資に投じる行為は、民事・刑事上のトラブルや税務上のリスクに直結します。家族間であっても金銭の授受には法令遵守と徹底した透明性が求められます。

 

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