(※写真はイメージです/PIXTA)
若年層に広がる金融リテラシー
若年層向けメディアでお金や投資の特集が自然に受け入れられるようになった背景には、公教育における方針転換があります。2022年(令和4年)4月施行の新学習指導要領により、高等学校の家庭科において「資産形成」や「金融商品の特徴(株式、債券、投資信託など)」を含む金融経済教育が必修化されました。また、成年年齢が18歳に引き下げられたことで、高校在学中や卒業直後から自らの名義で契約を結ぶ機会が増え、消費者トラブルの防止や実践的なマネー管理スキルの習得が急務となった経緯があります。
さらに、ティーン世代が「投資」をより身近なものとして捉える大きな転換点となりそうなのが、2026年度税制改正で盛り込まれた新たな少額投資非課税制度、通称「こどもNISA」(正式名称:未成年者特定累積投資勘定)の創設です。
こどもNISAは、一般の大人向け制度と完全に同一ではなく、独自のルールが設けられています。まず投資対象については、ハイリスクな個別銘柄を売買する枠は排除され、国の基準をクリアした公募投信の定期積立に限定される設計です。年間の拠出上限も60万円(生涯枠600万円)と、大人の年間枠(計360万円/総額1,800万円)に対して控えめに抑えられています。
さらに留意すべきは払戻しの制約です。早期解約を防ぐ観点から、受取時期は満12歳を迎える年度(年度末時点で12歳)以降へと繰り延べられます。加えて資金使途も野放図な引き出しは許されず、進学費用や学費、日常の養育費といった明確な教育・生活関連目的に限られ、受取時には親権者側が子の同意書などを添えて申請を行う厳格な手続きが課されます。
その後、子が成人年齢の18歳に達した段階で、本人の口座は一般の大人向けNISAへと移行し、株式売買枠の開放や使途を問わない自由な出金が行えるようになります。
親世代である40代〜50代の学生時代は、「投資はあぶない」という認識も一般的でした。しかし、長引く低金利や物価高、社会保障への問題意識が日常的に報じられるなかで育つ現在のティーン世代にとって、お金の仕組みを学び、リスクを理解しながら資産形成に取り組むことは、将来を自立して生き抜くための必須のライフスキルとなりつつあります。
制度の拡充によって未成年のうちから投資やお金の管理に触れる機会が増えるなか、家庭内においても親の古い常識にとらわれず、オープンにお金や将来設計について対話する姿勢が求められているのかもしれません。
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