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「指定司法書士」は変更できない?
不動産取引では、売主の不動産会社や仲介会社、銀行などから司法書士を指定されることがあります。「指定なので変更できません」と言われると、そのまま受け入れてしまう人もいるでしょう。
しかし、司法書士を変更できるケースもあります。私はまず、指定された司法書士以外に依頼できないか確認します。可能であれば相見積もりを取り、報酬について交渉します。
ただし、銀行が指定する司法書士については、変更できないことがあります。銀行にとって、抵当権設定登記は融資したお金を保全するための重要な手続きです。融資実行と登記申請を確実に進めるため、自分の希望で司法書士を変更することがむずかしい背景があります。
私の事例でも、抵当権設定登記の司法書士報酬が9万4,400円、別の案件では7万1,500円というケースがありました。所有権移転登記と抵当権設定登記を、別々の司法書士に依頼する場合もあります。指定されている理由を確認し、変更できる部分がないか検討することが大切です。
登記費用35万円が、交渉で27万円に
一般の住宅購入でも、登記費用の見積書を確認する価値があります。ある実需用マンションの購入事例では、当初提示された登記費用は35万366円でした。交渉後は27万7,766円。7万2,600円の減額です。
ここで注意したいのは、登記費用には登録免許税と司法書士報酬などが含まれていることです。登録免許税は法律に基づいて計算される税金ですから、値引き交渉の対象にはなりません。この部分は誰がやっても同じ金額です。比較するのは、主に司法書士の報酬や付随する費用です。
また、遠方の不動産取引では、本人確認のための出張費用などが発生する場合もあります。見積書の総額だけでなく、内訳を確認しておきたいところです。
不動産購入時には、数千万円という物件価格や住宅ローンの金額に意識が向きます。そのため、数万円の違いを小さく感じてしまうことがあります。しかし、普段の生活で7万円を節約するのは簡単ではありません。
私は、司法書士を選ぶ際に安さだけを重視しているわけではありません。対応が遅い、説明が雑、態度が横柄。そうした司法書士には、報酬が安くても依頼したくありません。一方で、専門家だから、指定されているからという理由だけで、提示された金額を無条件に受け入れる必要もないでしょう。
司法書士を変更できるのか確認し、見積書を比較し、必要なら交渉する。
不動産購入時には、仲介手数料や融資費用など、さまざまなお金がかかります。大きな買い物だからこそ、数万円の費用にも目を向けてほしいと思います。
竹下 昌成
竹下FP事務所 代表
日本FP協会認定CFP・TAC講師