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「来月から部長職を外れてもらう」月曜朝の人事面談
「ふざけないでください。私はこれまで、会社のためにどれだけ働いてきたと思っているんですか」
ある月曜朝の人事面談で、部長職を外れるよう告げられた田中直樹さん(54歳・仮名)。突然の話に、思わず声を荒らげました。
大卒入社後、一貫して営業部門で実績を重ねてきました。40代で課長、50代前半で部長に昇進。現在の年収は約1,400万円で、妻と大学生の長男、高校生の長女の4人家族。住宅ローンの返済も、あと5年ほど残っています。
管理職になってからは部下の育成や予算管理を担い、取引先との重要な交渉にも携わってきました。業績が厳しい時期には休日も対応し、部門の目標達成に努めてきたといいます。
ところが、その日の面談で上司から伝えられたのは、翌月から部長職を外れ、専門職として別の部署に移るという人事でした。
「会社の方針だと説明されました。後任は、私より10歳以上若い社員が就くそうです」
会社は組織の若返りと次世代の管理職育成を進めており、田中さんの担当業務も引き継ぐことになったのです。
「これまでの仕事を否定されたわけではない、と頭では理解しています。しかし“組織の若返り”といって、切り捨てられたも同然ですよね」
さらに気になったのは、処遇の変更でした。人事担当者との面談で示された翌月以降の年収見込みは約950万円。約450万円の減収です。これまでの生活費は年収1,400万円を前提に組み立てています。住宅ローンに加え、長男の大学費用や長女の進学費用も必要です。
「家計は妻が管理しているのでわかりませんが、単純に450万円も年収が減ったら、まわらないと思ったんですよ」
帰宅後、田中さんは妻に人事の内容を伝えました。妻は驚いたものの、「会社が決めたことなら、仕方がないんじゃない?」と話したそうです。
この程度の減給であれば何とかなると妻はソロバンを弾いている――妻の反応をみて、少し安心したといいます。
厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』によると、男性の所定内給与額は55〜59歳で月44万5,600円、60〜64歳では月35万8,500円でした。年齢階級別の平均を比べると、約2割の差があります。