「月30万円のキャッシュフローでFIRE」「年間家賃収入1,800万円」「初心者でも簡単に資産形成」。SNSやインターネットには、魅力的な言葉を並べた不動産投資セミナーの広告があふれています。しかし、広告の数字だけでは投資の実態はわかりません。借入金はいくらあるのか、生活費は誰が負担しているのか。30歳から不動産投資を始め、45歳でFIREしたCFPが、広告の読み方とセミナー選びのポイントを解説します。
「商品券プレゼント」「家賃収入1,800万円」…不動産投資セミナーの“裏側”を見抜くための〈セミナー広告二刀流読み〉【現役大家CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

広告を「好意的」と「いじわる」に読んでみる

私はセミナーで、実際の不動産投資広告を取り上げ、「好意的な推察」と「いじわるな推察」の両方をすることがあります。


例えば、ある投資家が大きな家賃収入とCFを公表していたとします。好意的に見れば、優良な物件を取得し、上手に融資を活用しているのかもしれません。一方、少しいじわるに見れば、借入金が多いのではないか、大規模修繕費を十分に見込んでいないのではないか、といった疑問も浮かびます。


家族名義の物件や相続した不動産が含まれている可能性もあります。配偶者が正社員として働き、安定した給与収入で家計を支えているのかもしれません。もちろん、どちらも推察にすぎません。


例えば、「家賃収入1,800万円でCF100万円」と聞いたら、そのCFが月額なのか年額なのか、借入金はいくらなのか、どのような経費を差し引いているのか。数字の定義と、その背景を確認します。


広告の数字は、見せ方によって印象が大きく変わります。

 

「すごい!」と感心する前に、自分で計算してみる。私は、こうした広告の見方をセミナーで紹介しています。

「百聞は一見にしかず、百見は一行にしかず」

セミナーを選ぶ際には、会社の評判や実績も確認しておきたいところです。顧客からの紹介が多いか、説明が客観的な事実と一致しているか、しつこい営業をしないか。金融機関や管理会社、ほかの不動産会社、既存のオーナーなど、複数の立場から情報を集めることも有効です。


そして、興味のあるセミナーには実際に参加してみる。講師の話がわかりやすいか、質問にきちんと答えるか、都合の悪い話も説明するか。広告だけではわからないことが見えてきます。ただし、セミナーで話を聞くことと、不動産を購入することは別です。


私は「百聞は一見にしかず、百見は一行にしかず」という言葉を使っています。話を聞くだけでなく、自分の目で確かめる。そして、最後は自分で行動して経験することです。不動産投資は、物件を購入してからが本番です。空室や修繕、借入金の返済など、実際に経営して初めてわかることもあります。


セミナーは知識を得るための入り口です。

 

広告や講師の話をそのまま信じるのではなく、数字を確認し、自分自身で判断する材料にしてほしいと思います。

 

 

竹下 昌成

竹下FP事務所 代表

日本FP協会認定CFP・TAC講師