(※写真はイメージです/PIXTA)
築25年のマンション、20年後の資産価値は?
今回の物件は、築25年の一般的な3LDKです。私は、築年数だけでマンションの価値を判断する必要はないと考えています。むしろ、20〜30年前のマンションには、設備や建具などがしっかり造られているものもあり、最近の新築より好ましく感じることもあります。
特にマンションの資産価値を考えるうえでは、立地と専有面積が重要です。今後、日本の人口が減少していけば、不動産の二極化がさらに進むと考えています。需要が少ない地域では価格が下落する一方、利便性が高く、住宅需要が集中する都心部では、価格が上昇する可能性があります。
また、インフレによる物価上昇や建築費の高騰も、不動産価格に影響します。新築マンションを建てる費用が高くなれば、既存のマンションを大切に使い続ける時代になるかもしれません。ご夫婦には、20年後には東京都心から離れた郊外へ引っ越したいという計画がありました。その考え方であれば、私は購入を検討してもよいと思いました。
20年後には築45年になりますが、適切に維持管理されたマンションなら、まだ十分に利用できる築年数です。
築45年でも、まだまだピチピチです。
立地と広さに競争力があるマンションなら、20年後の売却も十分に期待できると考えています。
もちろん、売却価格が保証されるわけではありません。管理状態や修繕計画を確認し、将来の住宅ローン残高とのバランスを考える必要はあります。
私はご夫婦に、将来の住み替えを考えれば購入も選択肢になるものの、住宅ローンを返済する20年間は、想像以上に厳しい生活になる可能性があるとお伝えしました。
その負担に耐えられるのであれば、購入してもよいと思います。
同じ年収でも、家庭の経済状況は違う
今回の相談で気になったのは、職場の同僚が次々とマンションを購入しているという話でした。同じ会社に勤め、年齢や収入も似ている同僚なら、自分たちにも買えると思うかもしれません。しかし、家庭の経済状況は年収だけではわかりません。
支出が違うのはもちろん、例えば、親から住宅購入資金の援助を受けている人もいるでしょう。実家に十分な資産があり、将来の相続を見込める家庭もあります。反対に、親への経済的援助が必要な家庭もあるかもしれません。表面的な年収が同じでも、住宅購入に使える資金や将来の経済的な余裕は大きく違います。
また、9,800万円という価格も、1億円を切っているから安いというものではありません。重要なのは、その物件に9,800万円の価値があるかどうか。そして、ご夫婦がその負担を引き受けられるかどうかです。
周囲の同僚が購入しているからといって、焦る必要はありません。
20年後に郊外へ住み替えるという計画も含め、ご夫婦自身の収入、資産、働き方、生活費をもとに判断していただきたいと思います。
竹下 昌成
竹下FP事務所 代表
日本FP協会認定CFP・TAC講師