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「親なんだから助けて当然」週1で母のもとへ通った娘
「一人暮らしの母のことは心配でした。でも、私には仕事もあるし、家庭もあります。なのに、自分の家のことが後回しになっていました」
そう話すのは、48歳の高橋智子さん(仮名)です。智子さんには、74歳になる母・幸子さん(仮名)がいます。夫を亡くした幸子さんは、年金月14万円で一人暮らしを続けていました。
智子さんの自宅から母の家までは、車で約40分。智子さんはパートの仕事をしながら、夫と高校生の息子と暮らしています。母の生活が心配で、週に1度は実家を訪ね、食料品の買い出しや掃除などを手伝っていました。
最初は、できる範囲で母を支えたいという気持ちでした。ところが、通ううちに頼まれることが増えていきました。買い物や家事だけでなく、病院への付き添いも頼まれるようになりました。
母が困っているなら、できるだけ応えてあげたい。そう思って引き受けてきましたが、仕事の予定を調整し、自宅の用事を後回しにすることも増えていきました。
母に事情を説明しても、なかなか理解してもらえません。
「私が困っているのに、仕事のほうが大事なの?」
そう言われると、智子さんは返す言葉に困りました。母に悪気があるわけではないのかもしれない。それでも、自分の都合を伝えるたびに、母を見捨てるような気持ちにさせられることがつらかったといいます。
内閣府『令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査』によると、子どもがいる高齢者のうち、子どもと「同居ではなく近居したい」と答えた人は32.8%。一方、「同居も近居もしたくない」と答えた人も14.1%います。親子であっても、望ましい距離感は一様ではありません。近くに住んでいることと、いつでも手助けできることは別の問題です。
智子さんにも、自分の家庭を大切にしたいという思いがありました。しかし、母に頼まれると断り切れず、少しずつ無理を重ねていったのです。