(※写真はイメージです/PIXTA)
「うちはスポンサーがいるから(笑)」ママ友の一言に興醒め
一方、リサさんからは、実家や義実家の両親にさまざまな費用を援助してもらっているという話もよく聞いていました。夏期講習の費用を出してもらったことや、家族旅行の費用を負担してもらったこと。娘の誕生日には祖父母から高額なプレゼントをもらったことなどです。
秋に入り、受験本番まで残り数ヵ月となったころのことです。塾の保護者会が終わったあと、アキコさんはリサさんと近くのカフェでお茶をしていました。話題は冬期講習や直前期の特別講座の費用になりました。
「6年生になると、本当に次から次へとお金がかかるよね」
アキコさんがそう話すと、リサさんは笑いながら答えました。
「うちはスポンサーがいるから大丈夫(笑)。おじいちゃん、おばあちゃんにお願いすればいいし」
さらに、こう続けました。
「私立に入ったらもっとお金がかかるでしょ? スポンサーにはまだまだ頑張ってもらわないとね」
アキコさんは、その場では曖昧に笑って話を合わせました。しかし、帰宅してからも「スポンサー」という言葉が頭から離れなかったといいます。
「親から援助を受けること自体が悪いとは思いません。でも、自分の親のことをスポンサーと呼んで、まだまだ頑張ってもらわないと、と笑っているのを聞いて、何だか興醒めしてしまったんです」
アキコさんは、リサさんの働き方や家庭の経済状況を否定したいわけではありません。ただ、以前から気になっていた言葉も思い出したといいます。
「私がフルタイムで働いているのは、生活のためだけではありません。仕事が好きですし、経済的に自立していたいという気持ちもあります。根本的に考え方が違うし、その違いを楽しめればいいのですがそういうわけでもないので、距離を置こうかなと」
「私まで嫌な人間になってしまう」ママ友との付き合いを見直すことに
それ以来、アキコさんはリサさんとの付き合い方を変えることにしました。以前は保護者会のあとにランチをしたり、休日にお茶をしたりすることもありましたが、そうした誘いは少しずつ断るようになりました。塾で顔を合わせれば挨拶をし、必要な情報交換も続けています。ただ、個人的な話をする機会は減ったそうです。
「リサさんが悪いというより、あの人と話していると、私もつい嫌なことを言ってしまうんです。そういう自分も嫌だし、そもそもママ友同士で張り合うことに時間を使いたくない。だから、少し距離を置くことにしました」
私立中学校の学習費は年間156万円。教育費を誰が負担するのか
文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」の訂正後の数値によると、私立中学校に通う子ども1人あたりの年間学習費総額は156万359円。公立中学校の54万2,450円と比べると、約3倍の費用がかかっています。また、ソニー生命保険「子どもの教育資金に関する調査2026」によると、大学等への進学資金の準備方法として「子どもの祖父母からの資金援助」を挙げた人は、高校生以下の子どもの親で6.8%、大学生等の親で9.2%でした。
祖父母から援助を受けること自体に問題があるわけではありません。ただ、援助を受けられるかどうかは、それぞれの家庭の経済状況によって異なります。
今回、アキコさんがママ友との距離を置いた背景には、教育費の負担や働き方に対する価値観の違いがありました。相手の言葉に対抗するうちに、自分もマウンティングをしてしまったというアキコさん。家庭ごとに事情が異なるにもかかわらず、子育てのあり方を比較し、張り合ってしまう関係に疲れを感じていたのでしょう。
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