(※写真はイメージです/PIXTA)
高校生で金融契約を結ぶということ
Aさんの経験が示しているのは、奨学金を借りるための情報収集と、返済計画を立てる金融リテラシーとのあいだにある決定的な乖離である。
Aさんは高校生ながら制度を調べ、給付型や減免を活用して借入総額を抑えた。その行動力は確かだったものの、毎月振り込まれる資金を生活費と区別できず、金利方式の意味も理解しないまま契約を結んでいた。
高校生という早い段階で金融契約を結ぶ以上、手続きの方法だけでなく、金利の仕組みや金利上昇局面でのリスク、口座に入った借入金をどう管理すべきかといった実践的な金融教育が求められる。
また、社会に出てからも、金利の動向や自らの返済状況を定期的に把握し、必要に応じてライフプランを見直す姿勢が欠かせない。企業による返済支援も、単なる資金手当てにとどまらず、従業員が自身のお金や返済計画と向き合う契機となることが期待される。
返済を支援することと同時に、借りたお金の構造を理解し、自立して管理できる力を育てること。金利のある世界が再び訪れたいま、奨学金と向き合うすべての人にその視点が求められている。
大野 順也
アクティブアンドカンパニー 代表取締役社長
奨学金バンク創設者
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