大学進学のために奨学金を利用する学生は多いものの、金融リテラシーが十分でないまま、手続きを進めてしまうケースは少なくない。昨今は、金利上昇へ転換したこともあり、高校生時代の選択は、社会人になってから想像以上に大きな影響をおよぼすことも。Aさんの事例を紹介する。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したものです。
奨学金120万円を「固定金利」で借りた高校生が、銀行員(現在26歳)になって直面した金利上昇…融資担当として痛感した“あの日の選択” (※写真はイメージです/PIXTA)

高校生で金融契約を結ぶということ

Aさんの経験が示しているのは、奨学金を借りるための情報収集と、返済計画を立てる金融リテラシーとのあいだにある決定的な乖離である。

 

Aさんは高校生ながら制度を調べ、給付型や減免を活用して借入総額を抑えた。その行動力は確かだったものの、毎月振り込まれる資金を生活費と区別できず、金利方式の意味も理解しないまま契約を結んでいた。

 

高校生という早い段階で金融契約を結ぶ以上、手続きの方法だけでなく、金利の仕組みや金利上昇局面でのリスク、口座に入った借入金をどう管理すべきかといった実践的な金融教育が求められる。

 

また、社会に出てからも、金利の動向や自らの返済状況を定期的に把握し、必要に応じてライフプランを見直す姿勢が欠かせない。企業による返済支援も、単なる資金手当てにとどまらず、従業員が自身のお金や返済計画と向き合う契機となることが期待される。

 

返済を支援することと同時に、借りたお金の構造を理解し、自立して管理できる力を育てること。金利のある世界が再び訪れたいま、奨学金と向き合うすべての人にその視点が求められている。

 

 

大野 順也

アクティブアンドカンパニー 代表取締役社長

奨学金バンク創設者

 

【注目のセミナー情報】​​​

【資産形成】11月5日(木)
富裕層のための「資産防衛と運用」
相続を見据えた「資産の守り方・育て方」のコツ

 

【資産運用】11月14日(土)
米国株で「10倍株(テンバガー)」を狙うには?
最新AIを活用した「銘柄発掘・分析」のノウハウ

 

【資産戦略】11月25日(水)
約30年ぶりの大金利変動の今しかつかめない?
新たな「お宝保険」の全貌