長期の積立投資によって口座残高が増えるのは喜ばしい反面、定年退職を迎えてから「この先どう取り崩すべきか」と悩む人は少なくありません。本記事では、会社員時代からの積立投資で資産を2,200万円まで増やした65歳男性の事例をもとに、老後の資産配分と取り崩し方のポイントをFPの田中佑輝氏が解説します。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。
「気になって、気になって…」積立投資で〈資産2,200万円〉を築いた65歳元会社員。定年を迎えた途端、毎朝スマホから目が離せなくなったワケ【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

新NISAと特定口座「どちらから売るか」で手取りは変わる

保有している株式や投資信託を売る際は、税金も見ておく必要があります。特定口座などの課税口座では、利益に20.315%の税金がかかります。新NISAの口座なら利益に税金はかからず、売った分の枠は翌年に戻ります。どの口座から、どの順番で売るかでも手取りは変わってきます。

 

Aさん夫婦は話し合いの末、特定口座の分から400万円ほどを売って預金に移し、株式の割合を5割程度に戻すことにしました。年金で足りない月5万円ほどは預金から取り崩し、NISAの分は当面そのまま持ち続けます。売ると決めたのが400万円だけだったことに、Aさんは少し拍子抜けしたと同時に、不安も和らいだといいます。

 

上がっているうちは、売る理由がなかなか見つかりません。Aさんのように、定年のような節目が来て初めて立ち止まる人は少なくありません。ただ、気持ちに余裕があるのも、相場が良い今のうちです。

 

自分の暮らしに毎年いくら必要で、そのうち何年分を株式の外に置いておくか。売るか持つかは、それを決めてから考えても遅くありません。

 

 

田中 佑輝

アルファ・ファイナンシャルプランナーズ代表取締役

AFP/MBA/DCプランナー2級/証券外務員1種、2種、内部管理責任者/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/住宅ローンアドバイザー