ある日突然始まる親の介護。遠距離でのサポートや仕事との両立に追われるなかで、老いた親の姿から「自分もいずれ同じように家族へ負担をかけてしまうのではないか」と強い危機感を抱くことも。子どもの成長や親の高齢化とともに、家庭に必要なリスク対策の性質は大きく変わっていきます。過去に加入した保険をそのまま放置せず、受取人の確認や保障の過不足をチェックすることは、自分だけでなく遺される家族を守るための重要なステップです。本記事では、遠藤徹さん(仮名)の事例とともに、転機から見つめ直す、マネープランの整え方を、FP dream代表FPの藤原洋子氏が解説します。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定、人物名を変更・再構成したものです。
世帯年収1,000万円・40代長男夫婦を凍りつかせた「要介護1の父の保険証券」…受取人欄に書かれていた“すでに他界した母”の名前【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

保険の見直し…「減らす・残す・足す」の視点

遠藤さんは、自身と父親の保険を3つの視点で見直しました。

 

1.減らす

長女が独立する時期を考えると、遠藤さんの死亡保険金5,000万円の定期保険は、将来的に減額できる可能性があります。保険料の負担を軽くする余地を、少しずつ探すことにしました。

 

2.残す

父親が加入していた終身保険の受取人欄は、すでに他界した母のままになっていたため、変更の手続きを進めることにしました。受取人が亡くなったまま変更されていないと、亡くなった受取人の相続人が保険金を受け取る扱いになるのが一般的です(契約内容によって異なる場合があります)。その結果、戸籍謄本などの必要な書類が増えたり、複数人との調整が必要になったりして、手続きに時間がかかることがあります。受取人の変更は、保険金が支払われる事由が起きる前に行う必要があります。

 

また、死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、相続人が受け取る場合に使えます。納税資金や家族への資金として役立つため、遠藤さんは父親の終身保険を「残す」判断をしました。

 

3.足す

自分の老後には、介護や認知症への備えが不足していると気づきました。公的制度との役割分担を見ながら、必要な範囲で検討していく予定です。

 

なお、解約や契約内容の変更をすると、内容によっては保障が小さくなったり、なくなったりします。解約返戻金は、払い込んだ保険料の総額を下回る場合もあり、返戻金がない契約もあります。また、いったん手放すと、年齢や健康状態によっては、同じ条件で新たに加入できないこともあります。手続きの前に、必ず内容をご確認ください。

人生の節目に訪れる「保険の見直しどき」

保険の見直しどきは、人生の節目に訪れます。親の介護の開始、子の独立、退職、相続の発生。遠藤さんにとっては、父の介護が、その大切なきっかけになりました。

 

最初の一歩としては、証券を手元に並べ、次の3点を確かめてみてはいかがでしょうか。

 

目的:なにに備える保険か

期間:いつまでその備えが必要か

受取人:誰が、どのように受け取るのか

 

迷うときは、FPなどの専門家に相談することもできます。慌てず、一つずつ確かめていくことが、将来の安心につながります。

 

 

藤原 洋子

FP dream

代表FP

 

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