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長男自らが「進学するためにできること」を調べ上げる
一方で長男は、高校の進路指導担当者に今後のことについて相談したところ、家計を支える人の失職などによって家計が急変した場合、進学後に利用を検討できる奨学金制度があることを知ったといいます。
たとえば、独立行政法人日本学生支援機構には、家計急変時に大学などの在学生が申し込める「緊急採用」「応急採用」があり、第一種は無利子、第二種は有利子の貸与型です。また、返還不要の給付奨学金にも「家計急変採用」があります。いずれも対象要件があり、進学先などを通じた手続きが必要です。
「奨学金があるから大丈夫、という話ではないけど…… 予定通り、受験してもいいかな?」
さらに長男は大学ごとの授業料減免などについても調べていました。制度には所得や資産、進学先などの条件があります。すべての家庭が利用できるわけではありません。それでも、選択肢を調べていくと、親の勤務先の倒産といった逆境など関係なく、進学への道は開かれている気がしたといいます。
そこまで自分で調べ上げた長男が頼もしく、一方で、父親として情けないと感じたと直樹さんは振り返ります。
「また息子に謝りました。心配かけたと。そして受験に集中するよう、伝えました」
大学入学後のお金については、親が考える。使える制度も調べる。妻とも話し合い、住宅ローンや保険、通信費など毎月の支出を見直す。そして何よりも、再就職を決める―― できることはすべてやろうと心に決めたといいます。
親は親、子は子、それぞれがやるべきことに全力を尽くし、春を迎える前に直樹さんは再就職が決まり、長男も第1志望に見事合格を果たしました。
文部科学省『学校基本調査』が示す通り、高等教育への進学が一般的となった現代において、家計急変時にも親子双方を守る公的セーフティネットは整っています。突然の危機に直面したときこそ一人で抱え込まず、学校やハローワークなどの公的窓口へ早期に相談することが事態打開の第一歩です。