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会社倒産、受験3ヵ月前に息子へ伝えた現実
「もう詰んだ……」
高橋直樹さん(48歳・仮名)。勤務先の会社が倒産すると知らされた夜、自宅に戻った直樹さんは、妻に話すことさえためらったといいます。月収は手取りで約42万円。妻もパートで働き、住宅ローンを返済しながら、長男の大学進学に向けて教育費を準備してきました。
その長男は高校3年生。大学受験の本番まで、残り3ヵ月でした。
「会社の経営が厳しいという話は聞いていました。でも、まさか受験直前に仕事がなくなるとは思っていませんでした」
頭に浮かんだのは、これから必要になるお金でした。受験料、入学金、授業料。大学へ進学すれば、交通費や教科書代、自宅外通学なら住居費もかかります。
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が実施した「令和6年度学生生活調査」によると、大学学部(昼間部)の学生生活費は年間平均で201万9,100円となっています。この金額には、授業料や入学金、通学費といった「学費」だけでなく、食費や住居費、光熱費などの「生活費」も含まれています。
大学進学時には学費ばかりに目が行きがちですが、実際には毎日の生活費も含めたトータルの資金計画が必要です。特に自宅外通学や私立大学への進学では負担額がさらに高くなる傾向があります。進学後の思わぬ資金不足を防ぐためにも、全体の必要額を事前に把握し、奨学金や免除制度の検討も含めた事前の準備が重要となります。
その夜、息子に会社の倒産を伝えました。
「ごめん。こんな時期に、こんなことになってしまった」
息子はしばらく黙っていました。そして、こう聞きました。
「俺、大学、諦めたほうがいい?」
直樹さんは返事ができませんでした。息子は家計を心配して、そう言ったのでしょう。しかし直樹さんは、「自分が仕事を失ったことで、息子が行きたい大学を諦めようとしている」と感じました。
「その言葉を聞いたら、余計に申し訳なくなって……。また『ごめん』と言いました」
家族のためにも、一刻も早く、再就職を決めなければ…… 直樹さんはそのことで頭がいっぱいだったといいます。