※写真はイメージです/PIXTA
78歳だからといって、全部現金にする理由もない
現在の資産の内訳を聞くと、現金・預金が約1,500万円。国内株式が約1,200万円、投資信託が約1,700万円、外国株式などが約600万円。生活費や医療・介護など、まとまった支出に備えるお金は現金で確保しています。そのうえで、当面使わない資金を運用しています。
「投資しているお金は、明日必要になるお金ではありません。だから、多少の値動きは受け入れられるんですよね」
もちろん、損失を経験したこともあります。
「下がるときは下がります。そこは分かっています。だから、生活に必要なお金まで投資に入れない。それだけです」
吉田さんにとって、投資は老後資金を増やすためだけのものではありません。
株を持つことで企業の動向が気になり、経済ニュースを見るようになる。
知らなかった業界について調べる。
自分が買った商品やサービスを提供している企業の業績を確認する。
そうした日々の行動そのものが、投資を続ける理由になっています。
「趣味みたいなものですから、78歳だからとやめる必要はない。年齢で決めるものでもない」
一方で、子どもに資産をできるだけ多く残そうとも考えていないといいます。
「当てにされても困ります。まったく何も残らないかもしれないし、残るかもしれない、そう伝えています」
高齢期における資産運用は、単なる資金確保にとどまらない役割を持ち始めています。内閣府『令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査』によると、老後の備えとして「資産形成(貯蓄・投資)など」に取り組む必要があると答えた人は24.2%に上ります。また、収入を増やす方法として「資産の運用・売却」を挙げる人は12.8%存在し、金融資産「5,000万円以上」を保有する人は全体の6.7%となっています。
吉田さんのように、生活に必要な資金を確保したうえで、投資を通して社会動向に関心を持ち生活の張りや楽しみを得るスタイルは、高齢期における資産の新たな活用法といえそうです。