定年後は夫婦でゆっくり暮らす。そんなイメージがある一方、長年の結婚生活を経て、あえて生活拠点を分けるケースも。ある夫婦の事例から、老後の夫婦の在り方を考えます。
「夫婦でも、別々に暮らします」〈年金月28万円・68歳夫婦〉、定年後に選んだ「別居でも離婚しない」という決断 ※写真はイメージです/PIXTA

定年後に変わった「夫婦でいる時間」の考え方

内閣府『令和8年版高齢社会白書』では、65歳以上の人の社会活動について、日本では40.9%が何らかの社会活動に参加していると回答しています。また、何らかの社会活動に参加した人では、生きがいを「十分感じている」「多少感じている」と回答した割合が84.6%でした。高齢期の生活では、家族との関係だけでなく、地域や友人とのつながりも生活の一部になっています。

 

高橋さん夫婦にとっても、それぞれの地域で築いてきた人間関係は大きな意味を持っています。ただ、2人とも「これからずっと別居する」と決めたわけではありません。

 

年齢を重ねれば、健康状態や介護、通院など、生活環境が変わる可能性があります。今は別々に暮らせても、将来は同居することになるかもしれません。そのため、2人は半年に一度程度で、生活費や住まいについて話し合うことにしています。

 

「今の形が一生続くとは思っていません。だからこそ、今の自分たちに合う形を選んでいます」

 

誠さんはそう話します。

 

国立社会保障・人口問題研究所の『第16回出生動向基本調査』(2021年)によると、「結婚しても家族とは別の自分だけの目標を持つべき」という考え方に未婚者の約9割が賛成しています。また『第7回全国家庭動向調査』(2022年)では「夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべき」への賛成割合が29.5%と初めて3割を下回るなど、固定的な夫婦像や役割分担にとらわれない意識の変化が進んでいます。

 

定年後にお互いの人生や人間関係を尊重し、あえて拠点を分ける「週末婚」や「別居婚」も、互いが心地よく過ごすための前向きで新しい夫婦のあり方といえそうです。

 

 

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