「孫がかわいいなら、できるだけ会いたい」と考える祖父母は少なくありません。一方で会える距離に住みながら、直接会うのは年1回という夫婦もいます。LINEでは孫と頻繁に交流しているという高齢夫婦の事例から、子ども家族との距離感について考えます。
「会う必要はないと思っています」〈年金月30万円〉70代夫婦、車で20分の孫に会うのは「年1回」の理由 ※写真はイメージです/PIXTA

自分たちの生活を大切にした結果

誠さん夫婦が「会わない」ことにこだわっているわけではありません。

 

正月に孫が来れば、一緒に食事をします。孫が行きたい場所があれば、連れて行くこともあります。年1回しか会わないため、前に会ったときより身長が伸びていることや、好きなものが変わっていることに驚くことも多いとか。

 

「会えばやっぱり楽しいですよ。だから、会いたくないわけではありません」

 

ただ優先するのは自分たちの時間。誠さんは趣味のゴルフを続け、洋子さんも最近、新たな趣味としてフラダンスを始めたとか。アクティブに活動する二人は、何かと忙しくしています。

 

「孫に全然会えないと嘆いている知人がいます。私たちも会うのは年1回程度ですが、会いたいなら会える距離にいるからでしょうか、特段寂しいという思いはありません。程よい距離感だと思っています」

 

国立社会保障・人口問題研究所『第7回全国家庭動向調査』(2022年)によると、親と「近居(移動時間60分未満)」にある既婚の成人子(女性)において、親との会話頻度は「週に1〜2回」や「月に1〜2回」を合わせると50%台を占めています。近居であっても毎日頻繁に関与するわけではなく、数週間に一度から月に数回程度の適度な間隔を保つ世帯が主流です。

 

車で20分という「いざという時に頼れる距離」を保ちつつ、普段は緩やかにつながる――親世帯、子世帯、それぞれの生活リズムを尊重しつつ、良好な関係を維持する理想的な形のひとつといえそうです。