(※写真はイメージです/PIXTA)
お嬢様学校で唯一奨学金を借りた女子高生
Aさんは兵庫県出身(現在34歳)。父、母、7歳上の兄、4歳上の姉という5人家族で育った。父は安定した企業に勤めており、母は専業主婦。家計に不安を感じたことはなかったという。Aさんは中学から私立の女子校に進み、そのまま高校へ内部進学した。
「学費の高い学校だったので、周りは経済的に余裕のあるご家庭ばかりで。奨学金を借りているという話を、同級生から聞いたことは一度もありませんでした」
状況が変わったのは高校2年、16歳のときだった。兄と姉が相次いで私立大学に進学し、学費の負担が重なっていた時期に、父が体調を崩してしまう。長期の療養が必要となり、家庭の収入は大きく落ち込んだ。
「上の2人のときはなんとかできたけれど、私のときにはもう余裕がなくなってしまった、と親からいわれました。責める気持ちはまったくなかったです。ただ、進学は諦めるしかないのかなとは思いました」
担任に相談し、日本学生支援機構の奨学金の存在を知る。成績が優秀だったわけではなかったため、無利子の第一種ではなく、有利子の第二種を申し込むことになった。給付型の奨学金の存在も知ったが、成績要件が厳しく、選択肢には入らなかった。
進学先は関西の私立大学。学費と一人暮らしの生活費を賄うため、月12万円を借りた。4年間の借入総額は約560万円にのぼった。
「車が1台買えるくらいの金額ですよね。でもそのときは、これがないと大学に行けないというだけで。周りに借りている人がいなかったので、相談する相手もいませんでした」
学校で説明会が開かれることもなく、手続きは担任と親と三人で進めた。返済が何年続くのか、月々いくらになるのか――書類には記載があったはずだが、実感を伴って頭に入ることはなかったという。