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孫の運動会で、祖父の「応援」が問題になった
「もう、金輪際、来るな!」
74歳の小林茂さん(仮名)は、息子の大輔さん(仮名・45歳)からそう言われ、言葉を失いました。
茂さんは妻に先立たれ、現在は月17万円ほどの年金で1人暮らし。近くに住む息子夫婦と、小学3年生の孫に会うことを何より楽しみにしていました。
孫の運動会にも、毎年欠かさず足を運んでいます。ところがある年の運動会で思わぬトラブルが起きました。茂さんが楽しみにしていたのは、孫が出場する徒競走です。
「今年こそは1位を取れよ」
競技の前、茂さんは孫にそう声をかけました。
孫が「無理かもしれない」と答えると、
「何言ってるんだ。練習したんだろう」
「1位じゃないと意味がないぞ」
「男なんだから、もっと頑張れ」
と、何度も言葉をかけたといいます。茂さんに悪気はありませんでした。
「孫には頑張ってほしかった。励ましただけです」
ところが、徒競走を終えた孫の表情は明らかに沈んでいました。順位は2位。ってきた孫に対して、茂さんは「2位かぁ……来年は1位をとれるよう頑張ろう」と声をかけました。その様子を見ていた大輔さんが「頑張ったんだから、まずはそのことを褒めてあげてよ」と茂さんに言いました。
茂さんは、「何が悪いんだ。2位なのは残念なことだろ」と反論しました。大輔さんは、息子が運動会の前から「おじいちゃんに1位を取れと言われるのが嫌だ」と話していたことを伝えました。
「本人が楽しむための運動会なのに、結果ばかり言われたらプレッシャーになる」
そう言われても、茂さんには納得できませんでした。
「俺たちのころは、頑張れと言われるのが普通だった」
「そんなことで嫌になるようじゃ、この先どうするんだ」
そこから親子の言い合いになり、最後に大輔さんが口にしたのが、冒頭の言葉でした。
孫がかわいい。だから頑張ってほしい。
少しでもいい成績を取らせてやりたい。
その気持ちから出た言葉でした。しかし、大輔さん夫婦が大切にしてきたのは、言葉そのものよりも、その言葉をどう子どもが受け取るか。祖父にとっては「励まし」でも、孫にとってはマイナスになっていては意味がないと考えていました。