(※写真はイメージです/PIXTA)
「高齢親の老後不安」と「現役の子の効率」の衝突
日本の高齢者は増え続けています。先日の敬老の日の総務省の発表では、65歳以上の人口はすでに29.6%に達し、3人に1人が高齢者という時代になりました。
単身高齢者も増え続け、家族が別々に暮らすことが当たり前になっています。厚生労働省『令和6年国民生活基礎調査』によれば、65歳以上の人がいる世帯は全世帯の半数を占め、そのうち一人暮らしは33.8%にのぼります。こうした社会構造の変化は、家族の距離感にも影響を与えています。
一方で、金利上昇や物価高が続くなか、高齢者の家計は決して楽ではありません。年金の平均受給額は男性で月16万9,967円、全体平均では月15万289円にとどまり、年金だけで生活を維持するのは難しい世帯が増えています。
そのため、子ども世帯に頼りたい気持ちが生まれやすく、結果として「家族だから」と踏み込みすぎてしまうケースが増えています。義父が善意で家計に口出ししたり、節約を強く求めたりする背景には、自身の老後不安や、物価高による生活費の圧迫があります。
しかし、事例のような30代の息子夫婦世代は、教育費や時短サービス、スマホ代など「必要な支出」を重視する価値観が強く、節約を押しつけられることに強いストレスを感じます。高齢者の不安と、若い世代の生活スタイル。この価値観のズレが積み重なると、家族関係に思わぬ亀裂が生まれてしまうのです。
家族の形が多様になるなかで、親世代と子世代が同じ屋根の下で暮らすことは、安心につながる一方、価値観の違いをはっきり映し出します。お金の使い方一つ取っても、「家族だからこそ」遠慮なく言い合える場面が、すれ違いのきっかけになることも少なくありません。
川淵 ゆかり
川淵ゆかり事務所
代表
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