(※写真はイメージです/PIXTA)
年金「月13万円」への減額を受け入れ、60歳で手に入れた〈元気な時間〉
そして、60歳を迎えたアツシさんはあっさりと退職届を提出しました。同時に、本来なら65歳から受け取るはずだった年金の「繰上げ受給」を申請したのです。
年金の繰上げ受給とは、本来65歳から受け取る老齢年金を、60歳から64歳までの間に繰り上げて受け取ることができる制度です。ただし、早く受け取る分、1ヵ月につき0.4%減額され、60歳まで5年間早めると最大で24%減額となります。そして、この減額率は一生涯変わりません。
繰上げ受給により、アツシさんの見込み額月約18万円だった年金は24%減額され、一生涯「月約13万円」となりました。妻の年金と合わせても月の収入は限られますが、アツシさんに後悔は一切ありませんでした。
「もらえる年金は減ってしまいますが、それ以上に自分の時間を生きるほうが重要だと気づきました」
突然この世を去ってしまった親友が、お金よりも大切な「今という時間」の価値をアツシさんに教えてくれたのです。現在62歳になったアツシさんは、妻と一緒に旅行をしたり、映画や落語を観たりと、「老後の自由な時間」を噛みしめるように生きています。
『令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果』では、高齢者が今後の生活のために「必要だと思う金融資産額」は、夫婦など同居者がいる世帯で平均2,787万円となっています。親友の死が契機となったのはもちろんのこと、6,000万円の老後資金の準備があったことも後押しとなって、アツシさんは年金を減額してでも「元気な時間」を優先する選択を取れたのではないでしょうか。
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