共働きで世帯年収約1,350万円。夫婦ともに忙しく働き、普段は家事も分担している美紀さん(42歳・仮名)ですが、夫の実家へ帰省すると、なぜか女性ばかりが台所に立つことに違和感を抱いていました。そんななか、夫から何気なく言われた「エプロン持って行ってね」の一言で不満が爆発。親世代の負担も含め、家族の集まりに残る“家事の役割分担”について考えます。
「エプロン持って行ってね」ってどういう意味? 世帯年収1,350万円の〈42歳共働き妻〉、義実家への帰省前に夫から言われた一言に違和感を覚えたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

「エプロン持って行ってね」夫の一言に耳を疑った瞬間

美紀さん(42歳・仮名)は、会社員の夫・健太さん(44歳・仮名)と中学生の娘との3人暮らし。美紀さんの年収は約600万円、健太さんは約750万円です。

 

夫婦ともに仕事が忙しく、普段の家事は「できるほうがやる」が基本。健太さんも料理や掃除をするため、美紀さんはそれなりに分担できていると思っていました。

 

ところが夏、夫の実家へ帰省する前日。荷造りをしていた美紀さんに、健太さんが何気なく言いました。

 

「エプロン持って行ってね。母さんも料理、大変だと思うから」

 

美紀さんは思わず聞き返しました。

 

「じゃあ、あなたも持っていくの?」

 

「俺? なんで?」

 

その一言に、長年抱えていた違和感が一気に噴き出したといいます。

夫はビール、妻は台所

結婚して十数年。夫の実家へ行くと、健太さんは父親やきょうだい、親戚と居間で談笑します。一方、美紀さんは義母に「何かお手伝いしましょうか」と声をかけ、料理の盛り付けや配膳、片付けを手伝うのが恒例になっていました。

 

義母から強制されたことはありません。むしろ「座っていていいのよ」と言われることもあります。それでも、忙しく動く義母を前に自分だけ座っているのは気まずく、自然と台所に立ってきました。

 

「お義母さんの手伝いをすること自体は、全然いいんです。1人で準備するのは大変だし、私もできることがあればやりたい。ただ、じゃあ夫や義父はずっと座って何してるの? って思うんですよね」

 

美紀さんが引っかかっていたのは、「自分も手伝わなければならない」ことではなく、なぜ手伝う人がいつも女性だけなのか、という点でした。

 

今回、夫から当然のように「エプロンを持って行って」と言われたことで、その違和感がはっきりしたといいます。

 

「夫のなかでは、私は最初から“母親を手伝う人”として数えられていたんですよね」

 

「みんなで食べるなら、あなたも手伝えばいいじゃない」と言うと、健太さんは「でも美紀は女同士だし……」と返したそうです。

 

「共働きなのに、夫の実家に行った途端、『男は座って、女は台所』になる。それが嫌だったんだと思います」

 

結局、美紀さんはエプロンを持っていきませんでした。必要な手伝いはしたものの、これまでのように率先して台所に立ち続けることもやめました。