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痛む腰と睡眠4時間、身を削る日常
毎朝6時半、鳴り響くアラームの音とともに、高橋哲也(48・仮名)さんは重い体を無理やり起こします。慢性的な睡眠不足と腰の痛みに耐えながら、都内のオフィス街へと向かう超満員の通勤電車に乗り込みます。新卒で入社して25年。現在、営業部の課長として10人の部下をまとめ、年収は960万円ほど。大台まであと一歩といったところです。
しかし、その対価として差し出しているのは、高橋さん自身の健康とプライベートな時間です。毎月の残業時間は80時間近くに達し、休日も顧客からの電話やチャットの通知が止まりません。睡眠時間は連日4時間程度に削られています。
「会社からは『管理職なんだから売上を担保しろ』と圧力をかけられ、現場のあらゆるトラブル処理が私のところに持ち込まれます。体力も精神も限界を超えているのに休むことすら許されません」
満員電車で押しつぶされそうになりながら、高橋さんの頭には「俺は何のために満員電車に乗っているんだろう…」という問いが無限に駆け巡ります。
苦しい労働に耐え続ければ相応の対価が得られるわけでもありません。管理職である高橋さんに残業手当は支給されず、給料はここ数年ほぼ頭打ちの状態です。毎月の手取り収入は約44万円(ボーナスは年間約250万円)。パート勤務の妻・由香利(45・仮名)さんの収入月8万円を合わせ、世帯手取りは月50万円を超えます。
【40代後半会社員の平均給与】
非役職者…月35.8万円/年591.5万円
係長…月46.8万円/年852.8万円
課長…月54.5万円/年900.9万円
部長…月67.0万円/年1,091.4万円
出所:厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』/男性・学歴計
一見すると十分な世帯収入ですが、その中身は毎月の支払いで瞬く間に消失します。12年前に購入した戸建て住宅のローン返済が毎月13万円(ローン残高1,600万円、完済まであと13年)。私立大学に通う長女(19歳)の学費と一人暮らしの仕送りで毎月14万円、高校2年生の長男(17歳)の塾代や部活動費で毎月5万円がかかります。
光熱費や食費などの基本生活費に約16万円を要するため、月々の手取り収入はほぼすべて消えていきます。現在ある750万円の貯蓄残高も、来年に控える長男の大学進学費用で大幅に削られる見込みです。
このような状況を反映し、高橋さんの小遣いは月3万円のみ。
「最近はお昼を食べに行くのも高くて、それだけで月3万円なんて使い切ってしまう。コンビニでおにぎり1個買って、あとは会社で飲めるお茶で腹を満たす――正直惨めですが、何とかやっています」