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年に1、2度の長男家族の帰省…親の負担
東北地方在住の斎藤美代子さん(仮名・72歳)。夫とは7年前に死別し、現在は築35年の戸建てで1人暮らしをしています。
生活のベースとなる年金は遺族年金含めて月14万円ほど。それに対して毎月の支出は、食費が3万円前後、光熱費と通信費で約1万8,000円、通院や薬に月7,000円ほど――支出と収入はトントンです。
「貯金を取り崩すほどではない。恵まれているほうですね」
そんな美代子さんが貯金を取り崩すタイミングが、年に1〜2度あります。長男・健太さん(45歳・仮名)の帰省です。
総務省『家計調査 家計収支編 2025年』によると、65歳以上の女性単身世帯における1カ月の平均消費支出は15万2,996円。月14万円ほどの年金で暮らす美代子さんにとって、日常のやりくりだけで収支は限界であり、普段の生活にそれほど余裕があるわけではありません。
さらに同調査では、交際費の平均が月1万9,782円となっており、そのうち孫へのお小遣いやお土産等にあたる「贈与金」が9,792円を占めています。こうした家族や親戚とのつながりを維持するための支出は高齢女性の家計において重い負担であり、一時的なイベントのたびに貯蓄を取り崩さざるを得ないのが実情です。
東京で暮らす健太さんは、妻と小学校2年生の男の子、幼稚園年長の女の子の4人家族。お正月やお盆など、長期休暇のタイミングで一家で来てくれます。
「向こうは、交通費や親戚へのお土産代などをかけて、混雑したなか来てくれる。住宅ローンに教育費に、やりくりも大変でしょ。だから、こちらに来てお金を出させるわけにはいきませんよね」
長男一家の滞在中の食費や外食代のほか、レジャー施設に行ったときの費用もすべて美代子さん持ち。さらに帰るときには2人の孫にお小遣いを渡し、健太さんにまでお小遣いを握らせます。
「お小遣い制で大変みたいだから。絶対、お嫁さんには言えないです(笑)」
金銭的な負担は、1度に1カ月分の生活費くらいになると言います。さらに金銭面だけでなく、家事全般の負担も相当なもの。健太さんや義理の娘は手伝おうとしてくれますが、やんわりと断ります。
「家族とはいえ、“お客さん”ですから。1年に多くて2度ですから。踏ん張り時です」