通常65歳から受給開始となる老齢年金は、60歳~75歳の間で受給するタイミングを選ぶことができます。ただし、65歳より前倒しで受け取ると年金が減額され、65歳より後ろ倒しで受け取ると年金が増額されるなど、いくつかの注意点が存在します。現在40代~50代の就職氷河期世代が老後できるだけ安心して暮らすために、年金受給において注意すべきポイントはなんでしょうか。著書『手取り25万円、妻子持ちでも7000万円貯めた私の 氷河期世代のお金の戦略』(Gakken)より、ななし氏が「繰り上げ受給」「繰り下げ受給」それぞれのしくみと年金受給額を増やす方法について解説します。
「自分は65歳で年金受給、妻だけ70歳まで繰り下げ」…老後資金7000万円の氷河期世代50歳男性が、「繰り上げ・繰り下げ」受給の“損益分岐点”から導いた年金戦略 (※写真はイメージです/PIXTA)

60歳で繰り上げ受給の場合、「80歳10か月」を超えると損に…年金受給の損益分岐点

では、いつ年金の受給を始めると効率がいいのか? これは、ご自身が何歳まで生きるのかで答えが変わります。

 

ざっくり言えば、「自分は長生きすることはない」と思うなら、早めに年金を受給しないといままで払ってきた保険料がムダになりますし、逆に「自分はめちゃくちゃ長生きしそうだ」と思うなら、受給を遅らせて多めの年金を長く受け取ることが正解になるでしょう。

 

ちなみに、「何歳まで生きれば元が取れるのか」という「損益分岐点」を計算してみたので掲載しておきます。

 

〈年金受給の「損益分岐点」〉

◎60歳から受給→80歳10か月を超えると「損」になる

◎70歳から受給→81歳11か月を超えると「得」になる

◎75歳から受給→86歳11か月を超えると「得」になる

 

実際には自分が何歳まで生きるかなんて予測しようがないので、判断は難しいかもしれません。ただ、日本人の平均寿命(男性約81歳、女性約87歳)だけ考えると、男性は標準的な65歳くらいで、女性は70歳くらいで受給を開始するのが損をしづらいのかなという印象を受けます。

 

もし貯蓄の取り崩しで十分に暮らせそうなら、年金は「万が一長生きしてしまったときの保険」的な位置づけとして考え、ギリギリまで繰り下げるのもひとつの手でしょう。

老後資金7000万円の就職氷河期世代男性、「妻の分だけ繰り下げ」と決めた理由

ちなみにわが家のプランは、私が65歳になったタイミングで私の分だけ受給をスタート。一方、妻の年金は繰り下げを行い、70歳以降で受給を始めようと思っています。

 

その理由は、老後資産がそれなりにできたので、65歳の段階で夫婦そろって年金を受給しなくても生活が成り立ちそうだし、いまの副業などは続けていると思うからです。だとしたら、私より長生きするであろう妻の年金はスタートを遅らせて、受給額を増やし、私が死んだあとでも妻がお金に困らない生活を送ってもらいたいと思っています。

 

私のようにコツコツと投資をしてきた人間からすると、「1か月で0.7%(=1年で8.4%)年金が増える」という制度はやはり嬉しいので、活用する方向で考えています。