文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立小学校に通う子ども1人あたりの年間学習費総額は平均36万6,599円(学校教育費:7万4,336円、学校給食費:3万5,774円、学校外活動費25万6,489円)です。一方、私立小学校では総額174万1,516円(学校教育費:97万8,271円、学校給食費:5万3,578円、学校外活動費:70万9,667円)と、約4.7倍の経済格差が存在します。特に、習い事や旅行などの体験にかける「学校外活動費」は公立でも年間約25.6万円に達しており、子育て世帯にとって重い負担となっています。事例を通して、子どもの学校以外にかかる教育費について解説します。
祖父母の家へ帰省、いとことの海水浴、マグロづくしの回転寿司…夏休みを大満喫したはずの小4息子。新学期、「海外旅行に行った同級生」を知った日 (※写真はイメージです/PIXTA)

提供できる「体験」の限界

海外旅行など、子どもがいろいろな場所に行き、普段とは違った経験をする。そこには娯楽的な側面だけでなく、教育的な側面もあるでしょう。昨今、学力だけでなく、学生時代の活動や経験も重視される入試制度が広がりつつあります。そんななか、保護者は、我が子にできるだけ多くの「体験」の機会を提供しようと考えるものです。

 

ですが、それをすることができる親は、実際には限られているのが現実です。特に子どもを育てる家庭や、物価高・円安の影響を直接受ける家庭にとって、高額な費用がかかる海外旅行や特別な体験を惜しみなく与えることは簡単ではないでしょう。周囲の豊かな家庭環境と比較してしまい、「親として十分なものを用意してあげられていないのではないか」と悩みを抱える親も少なくありません。

 

一方で、身近な自然で遊んだこと、親戚との関わりのなかで学んだこと、家族で囲んだ食事の思い出もまた、子どもにとって価値のある体験です。限られた家計のなかでどのように家族の時間を作り、どのような体験を積み重ねていくか。日々の生活や身近な遠出などで、子どもに気づきをどれだけ与えられるか。周囲の情報に振り回されすぎず、自分たちの家庭のペースと価値観を大切にしながら子どもと向き合っていく姿勢が求められています。

 

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