(※写真はイメージです/PIXTA)
「タワマンに暮らすママ友が羨ましい…」マイホーム選びの誤算
入居してしばらくは、思い描いていた理想の生活でした。しかし、その暮らしは「夫婦がこれまで通り共働きを続けること」を前提にしており、徐々に無理が生じ始めます。
引っ越したことで、ショウタさんの通勤時間は片道約1時間20分に。毎晩帰宅するのは夜9時を過ぎ、平日に家族と過ごす時間はほとんどありません。一方のアヤミさんも、時短勤務を活用しながら保育園の送迎と家事育児に追われていました。
さらに、子どもたちが成長するにつれて、通勤や通学といった「立地の利便性」も重要であることに気づかされます。長男が小学生になり、習い事としてサッカーや塾に通い始めると、車での送迎が負担になるようになりました。
「都心のタワマンに住むママ友は、『習い事も病院もすべて徒歩圏内で完結して便利』と話していて、正直うらやましくなりました」
郊外のほうが子育てによいと思い込んでいたものの、子どもが成長するにつれて必要な環境が変わることに気づき、夫婦は頭を抱えています。
国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、分譲戸建住宅を取得した世帯が住宅選択にあたり妥協したものとして、最も多いのが「価格・家賃(41.7%)」。次いで、「住宅の広さ(25.9%)」「間取り、部屋数(19.8%)」「交通の利便性(19.0%)」「職場からの距離(15.4%)」が挙げられています。
不動産価格の高さや子育て期の一時的な都合から「広さ」や「部屋数」を最優先にし、「交通の利便性」や「職場からの距離(通勤のしやすさ)」を妥協してしまうと、あとになってその負担が響いてくる現実がうかがえます。
さらに、当時購入を見送った都心のマンションは価格が高騰し、いまでは手が出せない水準になっています。一方で、現在の自宅の査定額は購入時を下回っており、簡単に住み替えることもできません。
「いまの家自体は気に入っています。でも、あのときタワマンにしておけば……と考えてしまうこともあります」
5年の歳月を経てショウタさん夫婦は、「理想の住まい」と「無理なく続けられる暮らし」が必ずしも同じではないという現実に直面しています。
「マイホームを購入した瞬間」がゴールではなく、そこから何十年も生活が続いていきます。いまの理想のライフスタイルを追いかけるだけでなく、将来の家族の変化や、夫婦が無理なく働き続けられる家選びを行うことが、後悔のない選択へとつながるのではないでしょうか。
[参考資料]
・住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」
・国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」
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