「親の施設入居が決まって一安心」――そう胸をなでおろしたのも束の間、面会に通うなかで親の小さな不満や自由のなさに心を痛める子世代は少なくありません。もっと手厚く、本人の希望に寄り添った施設に入れたいと思っても、そこに立ちはだかるのが「費用の壁」です。事例をご紹介します。
年金12万円・76歳母の大好物「アイスクリーム」を持って面会に行った49歳娘…老人ホームからの家路、モヤモヤが収まらなかったワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

「もっといい施設に入れてあげたい」を叶えるためには

サクラコさんのようなモヤモヤは、特別養護老人ホームや低価格帯の有料老人ホームに親を預ける家族のあいだで多く見られる悩みです。背景には、公的年金の範囲や、限られた持ち出し費用で利用できる施設の限界が存在します。

 

入所者一人ひとりの好みに合わせて食事の温度を細かく調整したり、個別の持ち込み食材・差し入れを管理したりすることは、慢性的な人手不足に悩む現場にとって大きな業務負担となります。誤飲や食中毒、持病悪化を防ぐため、一律で「差し入れ禁止」ルールを設けざるを得ない施設も少なくありません。

 

また、自由な外出を認めるためには、転倒や迷子事故に備え、スタッフが付き添うかの評価を行う必要があります。しかし現場では日々の身体介護で手一杯であり、優先順位として「安全の確保」が「個人の QOL向上」より優先される傾向があります。

 

限られた予算で運営する施設ほど、事故を防ぐための集団管理にならざるを得ず、個人のQOLは犠牲になりがちです。きめ細やかなサービスや本人の自由度は、毎月の利用料に比例するのが老人ホームの現実といえます。

 

「もっと快適で、本人の希望が叶う施設に入れてあげたかった」と後悔しないためには、親が元気なうちからの準備が欠かせません。いざ介護が必要になってから慌てて探すと、親の預貯金額が把握できておらず、結果的に「親の年金月額だけで入れる施設」に駆け込む形になりがちです。

 

親の「資産と年金額」を早期に可視化する

親が元気なうちに、預貯金がいくらあり、年金が月にいくら支給されるのかを把握しておきましょう。親の老いが表面化してきてからは、意思疎通がうまくできないケースや、そもそも話を出しづらくなるケースが多いです。「いくらまでなら住居費に出せるか」の予算上限を知ることが、施設選びのスタートラインです。

 

子世代が援助する場合

親の年金だけでは希望する施設に届かない場合、差額を親の取り崩し口座から出すのか、子世代がいくらまで援助できるのかをあらかじめ試算しておきます。

 

「安全」だけでなく「QOL」を買う意識を持つ

高齢者施設を単に「安全に倒れないように過ごす場所」ではなく、「残りの人生を自分らしく過ごす住まい」といった「おいしいご飯」「自由な散歩」「きめ細やかなケア」などを買うためには、それ相応の老後資金が必要になるという現実を直視しておくことが大切です。

 

サクラコさんのように「施設に申し訳ない」と遠慮してしまう背景には、「予算の選択肢がなかった」という現実も影響しています。親も子も納得のいく老後を迎えるために、いまから「老後資金の計画」と向き合ってみてはいかがでしょうか。

 

【注目のセミナー情報】​​​

【国内不動産投資】8月8日(土)オンライン開催
《短期償却×安定運用》
実質利回り15%前後も狙える「トランクルーム投資」

 

【事業投資】8月13日(木)オンライン開催
未経験・1人運営でも目指せる!
『買取大吉』の高収益モデルの全貌