(※画像はイメージです/PIXTA)
「楽しい老後」のイメージが湧かない日本人
長く不景気が続いてきた日本では、老後という言葉は決して楽しいイメージのものではなく、いわば恐怖や不安の代名詞となっています。そして、老後はこのくらい貯めなければならないという情報が溢れ、あらゆる年代の人が、漠然とした老後への不安を感じています。だからこそ、資産運用に多くの人が興味を持っているのかもしれません。
その老後の不安、よく考えてみると、二つの種類があります。
一つは、「気にしているだけ」で大して重要でもない不安です。老後資金はいくら貯めるべきという情報からくる不安がこれでしょう。それは誰が決めたのでしょうか。勝手に自分だけが思い込んでいるだけかもしれません。
人はそれぞれ自分の生き方があります。お金が十分でなくても、毎日ご飯が食べられて、病院にかかることでき、入院費を賄える生命保険があり、住める家がある。お金がなくてもそのくらいの生活ができれば十分のはずです。それを惨めだと決めつけたのは誰なのでしょうか。
人の人生はいろいろです。夫Fさんのように実家に問題を抱えてお金が貯まらない人もいるでしょう。不運と思うかもしれませんが、それも人生なので仕方ないのです。
もう一つは、潜在化して自分では気づいていない不安です。こちらは気づいたときには手遅れとなっているかもしれません。夫Fさんのように、お金の不安に苛まれ、関心を持って接するべき息子Yさんに、むしろ怒鳴り散らしてしまうと、家族をいずれ壊してしまいます。また、不安から無理なお金稼ぎに走り、結局身体を壊し、それが引き金で家族全員が不幸になってしまう。
Fさんも不安に思っていたお金はなんのためのお金だったのでしょうか。家族を維持するためのお金だったのか、SNSやメディアが煽る不安を解消するためのお金だったのか。ひとり息子を食わせるのは別に大きな負担ではないはず。それよりも息子に向き合って、まずはアルバイトで月2万円でも稼げるようになることを、家族として目標にすべきだったでしょう。
立派な仕事も、高額な年収も大切ではありません。家族が壊れるよりなら、家族みんなが食っていければいいやという気楽さを大切にしたほうがいい時代かもしれません。
長岡理知
長岡FP事務所
代表
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